振り込め詐欺救済法案について与党で合意(5月29日)
 5月29日の与党政策責任者会議において、振り込め詐欺等の犯罪被害者の救済を目的とした「犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律案」を了承し、国会に提出される運びとなりました。
 当初自民党「振り込め詐欺撲滅ワーキングチーム」(座長:中野正志衆院議員)で検討が進められ、本年2月から公明党も加わり、与党として法案作成に向けての議論を行ってきました。4月下旬に法案の骨子が固まり、政府や金融機関代表者も入れて最終的な調整を行った結果まとまったものです
 振り込め詐欺による被害額は年間250億円を超えると推計されており、極めて深刻な事態になっています。そうした被害のうち、犯罪に利用されたと思われる銀行等の預金口座に滞留している資金が約68億円にのぼると言われています。こうした滞留資金は、口座の名義人は犯罪関係者等であり、居所等が確認できないのが実情です。そのため、被害者に分配するためには民事訴訟手続きをとる必要がるものの、一件当たりの分配金が少額であることからコストに見合わないために手つかずにおかれているのが実情です。
 こうした滞留資金は被害総額のごく一部にすぎませんが、少なくともそれを被害者に返還するのは当然のことであり、この法案ではそのための預金保険機構を活用した簡易・迅速な特例手続きと配分方法を定めたものです。金融機関としても、法律で明確な手続き等が規定されれば、被害者の返還要求に対応しやすくなることから、法律の制定を望んでいます。
 早急に国会に提出し、今会期中に成立させるべく努力していく所存です。
○ 被害者への支払いまでの手続きの流れ
 取引停止措置
1. 金融機関は、犯罪利用預金口座である疑いがあると認めるときに、預金口座約款に基づき取引停止等の措置を講じる。
 失権手続き
2. 金融機関が、犯罪利用預金口座であると疑うに足りる相当な理由があると認定したときには、金融機関から預金保険機構に対して、債権消滅に手続き開始に係る公告を求める。
3. 預金保険機構による失権のための公告(インターネットで、60日以上の期間)
名義人の権利行使の届出等
なし
あり
〔訴訟等の既存の法制度による解決〕
4. 失権(名義人の預金債権が消滅)=金融機関に被害者への分配金支払い義務が発生
 支払手続き
5. 預金保険機構による分配金支払のための公告
金融機関による被害者からの支払申請受付(30日以上の期間)
6. 支払請求権の確定(被害者・被害額・支払額の認定)
7. 金融機関から認定された被害者への支払
8. 残余財産がある場合は、預金保険機構に納付してから犯罪被害者支援等のために利用