海外から日本経済の先行きについて厳しい意見が多いが、海外の専門家は日本経済の潜在力はもっと強いと評価しているとの見方を示しました。一方、2007年に日本の株価が米国やヨーロッパを上回る11%も下落したが、これは政府も企業も潜在力を十分発揮できていないのが現状であるとの考えを述べました。
また、竹中教授は、わが国のエネルギー効率は世界最高であり、地球温暖化が世界の最大の問題となっている今日、世界最高水準の環境技術こそ日本の最大の競争力であると述べ、環境技術の開発・普及に官民挙げて取り組みを強化するべきであると強調しました。
などの政策についてナショナルプロジェクトとして国をあげて推進していくことなどを提案しました。その中で東大の民営化の必要性について、日本で数大学は世界のトップレベルの大学と肩を並べる評価が得られるように質を向上させることをめざすべきであるとの考えを強調しました。また、地方経済の活性化のために、北海道などの一部で、法人税率を引き下げるスーパー特区を設定することも検討するべきだと提案しました。
竹中教授は質問に答えて、米国のライス国務長官が「グローバリゼーションで最も有利なのは日本だ」との発言を紹介しつつ、資本や技術がある一方で、国内の労働力や市場が縮小していく日本は、成長する世界のマーケットを積極的に活用かして成長のチャンスにしていくという発想が必要だと強調しました。
竹中教授は質問に答えて、企業収益の増大が順次個人所得の増大に回るという好循環のシナリオが実現しない原因は、企業のROE(資本収益率)が先進諸外国に比べて低いことからもわかるように、企業の経営体質が本当の意味で改善していないことにあると述べました。現在の見かけ上の高収益はがむしゃらなリストラ等の結果であり、ほとんどの企業経営者が生産性向上による長期的な成長戦略を持っていないとの考えを述べました。生産性を改善するためには、付加価値の高い雇用を創出していくしかなく、それを担っていく人材を育成していく上では教育の質的な改善が最も重要であると強調しました。 また、わが国の中小企業やGDPの25%を占めるサービス産業の生産性が欧米に比べて低いことをあげて、現代のイノベーションはIT機器や生産装置の性能向上だけでは達成できるものではなく、それを使いこなす人の技能向上がともなわなければならなくなっていると述べ、そのためには教育の重要性を強調しました。さらに、成熟段階にある経済の成長のカギは“金融”と“情報”であるとの考えを述べ、そうした分野の成長を達成するための人材育成、すなわち教育の向上の必要性を訴えました。