3月16日
■外交活動を積極的に展開

 先週は、来日した中国共産党対外連絡部の劉洪才副部長一行と数回にわたり会談したほか、アラブ諸国外交団のリーダー的存在であるR・ファラ駐日ジブチ大使、J・ベーカー駐日アメリカ大使と懇談するなど外交活動を展開しました。

 ジブチのファラ大使は、在日15年の大ベテランで、来月に駐フランス大使として赴任するために離任する予定になっています。在任中には、小国の大使ながら日本におけるアラブ諸国、イスラム諸国、アフリカ諸国のそれぞれの外交団の代表をつとめるなど、きわめて重要な役割を担ってきました。
 また、ご存知の通り、アメリカのベーカー大使は共和党の上院議員を長くつとめた大物政治家で、外交・内政にわたる政策通でもあり、人柄も温厚な立派な方です。

◆グローバル時代に議員外交の重要性は増大
 今日のグローバルな世界で、海外との関係を抜きに国内のさまざまな政策を決定することはできません。政治家が海外要人との対話を通じて国際情勢に関する理解を深め、日本の針路について論議し、施策する議員外交の重要性はこれまで以上に大きくなっていると考えます。
 私も、海外留学や農林水産省で貿易交渉に携わった経験を生かして、日頃から議員外交に積極的に関わるよう心がけています。外国の識者や責任ある立場の人々の生の情報や意見に接すると、国内の報道や官庁筋の情報から得られる認識とかなり違った見方に気がつくことも少なくありません。
 政治主導で正しい政策判断を行うためには、議員外交をもっと活発にしていかなければならないと思います。

◆日中与党議員交流協議会が発足
 中国共産党対外連絡部(中連部)劉洪才副部長ほか4名の若手幹部は、政党間で交流を行っている自民・公明・民主三党の招聘で来日し、政府要人や三党の幹部・若手議員などとの会談など精力的にスケジュールをこなしていました。
 私も、公明党主催の歓迎夕食会を含めて3回会談し、歴史認識から国際通貨まで幅広い問題について率直な意見を交換することができました。

 自民・公明の政務調査会役員などとの朝食会では、額賀自民党政調会長、北側公明党政調会長を議長とする連立与党と中国共産党との間での交流協議会の発足について合意され、両国間でさまざまな政策についても意見を交換していくこととなりました。
 経済、環境、教育、防犯など両国が協力して取組まなければならない政策課題は多く、こうした枠組みができたことは大きな前進だと考えています。

◆中国若手の現実主義に敬服
 会談の中で印象に残った点を何点かご紹介します。
 劉氏は、歴史認識問題についての従来からの中国の基本的スタンスを主張する一方、国によって歴史認識が異なるのはやむを得ないことであり、いくら両国の学者が共同研究を行っても一致するのは難しいものだと、日本にある一部の世論に一定の理解を示しました。その上で、難問ばかり論じ合っているのではなく、問題の存在は相互に認めつつ友好増進に優先すべき政治・経済の課題から順次取組むべきであると、現実志向の立場を強調していたことが印象的でした。
 一方、日本では古い政治家・学者は、右派も左派も昔から同じテーマに執着しており、それに比べて中国の方がずっと現実的で進んでいるとの感じを受けました。

 また、人民元の切り上げ問題について、私が、多少ふっかけて中国のためにも3年以内に変動相場制に移行するべきであると提案したところ、意外にも先方からは、まったく同感であり多分それ以前に実現するだろうとの答えが返ってきました。
 リラックスした場での発言なので割り引いて受けとめるべきではありますが、少なくとも中国指導層の内部では相当議論されていることは間違いないようで、正直少し驚きました。


2004年3月16日
前衆議院議員 上田 いさむ