3月22日
■年金改革論議を早期に開始すべき

◆後半国会の最大のテーマは年金制度
 今週中にも、参議院で平成16年度予算案が可決され、成立の見通しとなりました。通常国会がはじまって以来、切れ目のない財政運営と新規施策の早期実施のために予算の年度内成立を当面の最優先課題としてきただけに、何とか責任を果たすことができたとの思いです。
 これからはじまる後半戦の国会論戦の最大のテーマは、年金制度改革になるものと思われます。政府・与党としては昨年中に改革案の大筋について結論を得た上で、本年1月には最終的な調整を終えて、2月1日に法案を提出しています。国民生活に密着した関心の高い法案であるだけに、国会でも十分な議論を尽くす必要があることから、できるだけ早い時期に議論をスタートさせたいと考えています。

◆持続可能な年金制度の確立をめざす
 日本の公的年金制度は、急速な少子高齢化の進行により将来の安定的な制度の維持が難しくなっています。2000年には、高齢者1人の年金を現役世代3.6人で支えていたのが、2025年には1.9人に、2050年には1.4人で支えることになると予測されています。現在の制度のままでは、現役世代の負担が重くなりすぎて耐え切れなくなるのは明らかです。

 政府・与党では、こうした厳しい現実の中で、公的年金制度を将来にもわたって持続可能なものとして維持していくために、昨年から抜本改革をめざして、さまざまな分析や検討を重ねてきました。そうした密度の高い、真剣な議論の結果として取りまとめられたのが、現在提出されている法案の中身です。

 私たちは、先ず何よりも公的年金制度が、将来とも老後の生活設計において大きな役割を果たすものでなければならないとの共通認識に立ちました。一定の給付額を維持することを重視して、その額を現役時代の所得の5割以上(モデル年金世帯)確保することをはじめに設定しました。その上で、現役世代の負担する保険料が過大とならないように保険料の上限を2017年に厚生年金では所得の18.30%(2017年の雇用者負担を含む数値)に設定しました。少子高齢化の進行により現在に比べれば、給付水準が下がり、保険料が上がるのは避けられませんが、条件が悪くなる中でなんとか安定した信頼できる制度を維持したいとの思いで考え出したものです。

◆民主党など野党はあまりに無責任
 民主党は、政府・与党の改革案に反対し、独自案を提出すると言いつづけていますが、未だに対案の骨子すら公表していません。年金改革は後になればなるほど、財政が悪化して難しくなることは明らかであり、今国会で論議し、改革法案を成立させることが重要です。今の民主党の対応は、具体的な案を明らかにすることなく、問題を先送りするだけのような姿勢は無責任と批判せざるをません。7月の参議院選挙を念頭にどのような案を打ち出すのが世論に受けるのかを模索しているとも言われていますが、国民生活にとってきわめて重要な年金改革問題をそうした選挙対策の道具に利用するのはいかがなものでしょうか。

 報道されている限りでみれば、民主党の案は、保険料の引き上げを抑制する代わりに消費税の税率を引き上げるという内容のようです。将来の社会保障費などの安定財源を消費税増税に求めることは検討しなければならない課題ではあり、議論を排除するものではありません。しかし、消費税は打出の小槌ではありません。何でもかんでも財源を消費税に求めていくと、とてつもないパーセンテージまで引き上げることになるのではないでしょうか。税財政の全体構造を考慮しないあまりに無策、無責任な考え方だと言わざるを得ません。

 その他の野党に至っては、ただ与党案を批判するだけで、年金制度を持続可能なものとして維持していくための財源などについてほとんど意味のある内容を示していません。耳当りの良い甘言ばかりの無定見、無責任そのものです。


2004年3月22日
前衆議院議員 上田 いさむ