私が委員長をつとめると公明党金融問題調査委員会では、自由民主党金融調査会(会長:金子一義衆院議員)と共同でまとめた「貸金業制度等の改革に関する基本的考え方」を与党政策責任者会議に報告し、了承されました。
貸金業制度の見直しについては、これまで自民党、公明党それぞれに、金融庁等の行政機関との打合せ、弁護士会・貸金業協会等の関係者からのヒアリングなどを行い、検討を進めてきました。先週、両党における検討状況について協議したところ、基本的に同じ方向性であることが明らかになったため、共同で提言を取りまとめることで合意しました。
与党提言において、貸金業制度の見直しの基本的な方向性を明らかにしました。それを踏まえて金融庁等行政機関において制度改正の詳細設計や運用のあり方について検討し、8月末までに具体案をまとめることとなりました。与党としてはその間、政府と協議しつつ、関係者とさらに意見交換等を行いながら検討を進めていきたいと考えています。
● 過剰貸付の抑制、グレーゾーン金利廃止などを提言
与党が取りまとめた報告書では、金融庁の貸金業制度等に関する懇談会がまとめた「座長としての中間整理」の内容をベースに、大きな社会問題となっている多重債務者問題への対応と貸金業界の健全な運営をめざした制度の改革案が提言されています。
概要は以下のとおりです。
貸金業の適正化
- 新規参入時の、財産要件、人的要件の引上げなど規制の強化
- 自主規制機関の体制、機能の強化
- 広告規制、取立て等の行為規制の強化
- 監督手法の拡大、罰則の強化
過剰貸付の抑制
- 貸金業者の信用情報機関への加入義務化など信用情報機関の充実・強化
- 貸金業協会・司法支援センター等による体制整備の充実
- 返済能力の目安の基準化、信用情報機関の利用による返済能力の確認の義務付け(訓示規定となっている貸金業法13条の実効性の確保)
- 毎月の支払額、返済期間の適正化
金利体系の適正化
- 「出資法」と「利息制限法」の上限金利との間のいわゆる「グレーゾーン金利」及び「みなし弁済」制度の廃止で認識が一致
- グレーゾーン金利廃止後の金利についてはさまざまな意見があったが、出資法上限金利を利息制限法の金利水準に引き下げるべきとの意見が大勢であった
- ・利息制限法金利について、金額刻みの廃止または物価変動を考慮した見直しの是非など
・少額短期貸付についての特例、事業者向け貸付の特例などの措置の是非
・金利の定義に、手数料・保証量・保険料等が含まれるのかどうかの明確化
・金利見直しと「ヤミ金融」との関係性