多重債務防止に貸金業制度見直し案をとりまとめ

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公明党では21日の政務調査会部会長会議において、私が座長をつとめる金融問題調査委員会で検討してきた貸金業制度改革案を基本的に了承し、金融庁・法務省などに法案化に向けての作業に着手することを了解しました。なお、金利引き下げ後の2年間について暫定措置として導入が検討されている少額・短期貸付特例金利制度や利息制限法金利の対象元本額の見直しなど意見が集約できなかった幾つかの点については、引き続き政府・与党で法案提出までに協議していくこととしました。

金融問題調査委員会では、近年の消費者金融からの過剰な借り入れに起因する多重債務問題に対応するために、本年6月以降検討を行ってきました。金融庁に設置された有識者等で構成された「貸金業制度等に関する懇談会」(座長:吉野直行慶應義塾大学教授)の議論をベースに、金融庁・法務省・警察庁等の行政機関や関係諸団体等からのヒアリングや意見交換を実施してきました。また、自民党金融問題調査会(会長:金子一義衆院議員)とも連携を図りつつ、委員会で議論を重ねてきました。私は、金融問題調査委員会委員長として、党内の意見調整や改正案のとりまとめに努めてきました。

今回、とりまとめた改革案は、消費者金融のあり方の抜本的な変革を迫るかつてない大改革となります。特に参入規制の強化による貸金業の適性化、過剰貸付防止のための量的な規制の導入、上限金利の原則統一などの措置は、借手の立場に立った、これまでにない大きな改革です。これによって、200万人とも言われる多重債務者の救済と今後の防止発生防止に資するものと考えています。

多重債務問題が依然として深刻な状態にあることから、臨時国会で関係法律の改正を実現するよう努力していきたいと考えています。

 

○改革案の骨子

1.貸金業の適性化
  1. 参入規制を強化するため事業者の財産的基礎を現行の500万円から5,000万円に引き上げる〔現在1万4千件の登録業者の約4分の1しかこの基準を満たしておらず、業界の大幅な整理につながる見込み〕
  2. 貸金業協会を法律に基づく認可法人とし、貸金業者の加入を義務づけ〔現在は、任意加入で約半分のみ加入している〕、自主規制機能を強化する
  3. 広告・勧誘等の自主規制、取り立て規制の強化、事前の書面交付義務づけなど広域性の強化
  4. 当局による業務改善命令制度の新設、事業報告書の提出義務づけ等による監督手法の強化
  5. 高金利・無登録営業等の刑事罰の引き上げなどヤミ金融対策の強化

 

2.過剰貸付の抑制
  1. 指定信用情報機関制度を創設し、貸金業者の加入義務づけ
  2. 貸金業者に借手の返済能力の調査を義務づけ、それを超える貸付の禁止
    *借入残高100万円超の場合には、年収等の資料徴求の義務づけ
    *借入残高が年収の3分の1を超える貸付の原則禁止
  3. カウンセリングを貸金業協会の法定業務として位置づける等体制の抜本的強化

 

3.金利体系の適正化
  1. 「みなし弁済」制度(貸金業法第43条)の廃止
  2. 出資法の上限金利を現行の29.2%から20%に引き下げ、いわゆる「グレーゾーン金利」を廃止・大幅縮小
  3. 利息制限法の上限金利の貸付元本額による「きざみ」について物価変動等を考慮して見直す〔貸付元本額が50万円未満(現行10万円未満)は20%、50万円以上500万円未満(現行10万円以上100万円未満)は18%、500万円以上(現行100万円以上)は15%とする〕*これを超える部分は民事上無効とする
  4. 契約締結費用、債務弁済費用を利息の概念に含める、上限金利を超える保証料の禁止など金利の概念の明確化
  5. 日賦貸金業者特例金利の廃止

 

4.多重債務者対策本部の設置
  •  関係省庁からなる「多重債務者対策本部」を内閣官房に設置し、政府あげて問題解決に取り組む

 

5.経過措置等

  1.  改正法の交付から、上限金利引き下げまでの「体制準備期間」は概ね3年を目途とする
  2. 経過措置としての少額短期貸付を、上限金利25.5%として限定的に2年間暫定的に認める
  3. 概ね3年の「体制準備期間」内に経過措置の必要性について見直しを行う

(なお、上記骨子の3.3)の利息制限法の上限金利の見直し及び5.2)の経過措置としての少額短期貸付の是非については、最終的な結論に至っておらず、法案提出までに政府・与党間で協議し、結論を得ることになっています。)