貸金業制度改革の政府・与党案を決定

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25日、自民党政務調査会政策審議会及び公明党政務調査会全体会議がそれぞれ開かれ、内閣から示された「貸金業規制法改正案」について検討の上、了承されました。今後、所定の手続きを経た上で、31日に閣議決定される見込みです。

 

金融問題調査委員長として議論をリード

本年6月ごろから、自民党・公明党でそれぞれ、貸金業者、弁護士会、司法書士会等関係者からのヒアリングや金融庁・法務省等関係行政機関との意見交換を重ねてきました。また、8月からは与党間で断続的に協議を行ってきましたが、23日の与党間協議で基本的な合意に達しました。24日には、自民党財務金融部会・金融問題調査会合同会議及び公明党財務金融部会・法務部会・金融問題調査委員会合同会議でそれぞれ了承されました。

私は、公明党金融問題調査委員長として、制度改正案の作成をはじめ、党内の意見集約や与党間折衝において中心的な役割を担ってきました。なお、こうした私の活動を含む与党間協議の経緯等については、24日付けの読売新聞、日経新聞朝刊など各紙で報道されています。

 

与党間最終調整で金利区分の見直しを見送り

今回政府・与党が取りまとめた制度改正案は、深刻さを増している多重債務問題の解決を目的としたものであり、かつてない抜本的な改革となっています。この制度改正によって、消費者金融システムが適正化されるとともに、多重債務問題の解決・再発防止が前進するものと理解しています。

最終的な与党間協議ではそうした制度改正の趣旨が正しく理解され、活かされることを主眼において、検討を行ってきました。その結果、懸案となっていた、

1.利息制限法の上限金利適用元本金額区分(いわゆる金利の「刻み」)を物価変動を考慮して5倍に引上げること、

2.出資法金利引き下げ(29.2→20.0%)実施後の2年間の暫定措置としての特例金利での小額短期貸出制度の導入の2点については、いずれも本改正では見送り、内閣府に新設される「多重債務問題対策本部」(仮称)において検討し、経過期間(2年半)内に結論を得ることとなりました。

 

消費者金融のあり方の変革を求める抜本改革

今回の改正は、以下の点などを中心に貸金業界のあり方を抜本的に改革するかつてない大改正となっています。

  1. 貸金業者の登録要件を厳しくする等による業界の再編・適正化を促進する。
  2. 業界団体を指定し、現在任意となっている加入を義務付け、広告内容等に関する自主規制機能を強化する。また、信用情報機関を一元化し、加入を義務付ける。
  3. 自殺を原因とする生命保険の付保を禁止する等契約、債権回収に関する行為規制を強化する。
  4. 貸出総額の制限を設ける等過剰貸付抑制する。
  5. みなし弁済制度の廃止及び出資法上限金利の引き下げ(29.2→20.0%)により、いわゆる「グレーゾーン金利」での貸出を禁止する。

こうした改革を実行することにより、今日大きな社会問題となっている多重債務問題の解決に大きく貢献するものと期待しています。制度改正の詳細については、衆議院のホームページ(http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index.htm)に掲載されている議案や金融庁のホームページ(http://www.fsa.go.jp/)をご参照ください。

 

内閣府に多重債務問題対策本部を設置

しかし、こうした制度改正のみでは深刻さを増している多重債務問題をすべて解決することにはなりません。そこで、内閣府に「多重債務対策本部」(仮称)を設置し、関係省庁間の連携を強化し、1.借り手に対するカウンセリング体制の整備、2.緊急な資金需要者に対応する仕組みの充実、3.いわゆる「ヤミ金融」業者の取締りの強化、4.将来の貸金業のあり方等の問題について幅広く検討することによって多重債務問題の解決に向けて引き続き取り組んでいくこととしています。与党においても、同本部と連携しつつ、検討状況を注視していきたいと考えています。

 

マスコミ等は金利水準の議論に偏重

この問題に関するマスコミ等の論調が金利水準にばかり偏っていたのは、本質を理解しないものであった、とても残念です。多重債務問題の発生を防止するためには、今回の改革に盛り込まれている業界の再編・健全化を促す措置、過剰貸付を抑制するための措置、取立て等に係る各種行為規制の強化の方が有効だと考えています。

金利は、物品販売における価格に相当するものであり、借り手のリスクに応じて定められるものです。本来、健全な業界であれば、自由に設定されるべきものです。諸外国の事例を参考にすると、長期的にはむしろ自由化した方が実効金利は下がるものと推測されます。したがって、金利引き下げだけが問題解決の道であるかのような見解は適切でないと考えます。