新時代の日中友好関係の強化に向けて

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◆中国側は国民感情の改善に腐心

先週は、中国の胡錦濤国家主席ほか中国政府幹部が来日し、福田総理との首脳会談などで新たな日中協力関係の確立に向けて大きな成果があがりました。

胡主席は、神奈川県や近畿地区の訪問したほか、早稲田大学での講演や福原愛選手との卓球など友好ムードを盛り上げるのに腐心したことがよくわかります。中国としては、北京オリンピック開催を控えてチベット問題を巡り国際的な見方が厳しさを増す中で、日本との友好関係の必要性に迫られて面があります。特に、最近の毒入りギョウザや東シナ海資源開発などで日本国民の中国に対する不信感が高まっていただけに、歴史認識問題への言及を控えめにするなど国民感情の改善にかなり努力したものと思います。私も、7日に、太田党代表ら公明党議員団の一行との会談に同席し、中国側の腐心を強く感じました。

日本国内では今回の首脳訪問が好意的に受け止められており、中国側の意図は相当な効果を上げたと感じています。

 

◆日中友好促進に大きな成果

日中首脳会談等を通じて具体的な成果もかなり上がったと思います。洞爺湖サミットの最重要テーマである地球環境問題について気候変動に関する共同声明が発出されたほか、毎年4,000人の青少年交流の実施、文化センターの相互設置協定の締結、中国の省エネルギーへの協力スキームなど多くの具体的な事項が共同プレス発表に盛り込まれました。

経済的・政治的影響力が増大しつづける隣国中国との間で、安定した協力関係の構築について合意できたことは、わが国にとって有益なことだと考えています。また、アジア地域の平和と反映にとっても重要だと感じています。

 

◆一部評論家等の批判は大局観に欠けるもの

一部の評論家などは、毒入りギョウザや東シナ海ガス田開発問題で結論が出なかったことを挙げて、成果がなかったと評価しています。しかし、こうした発言は、長期的・安定的な日中関係の構築の重要性を認識していない、大局観に欠けたためにする批判だと考えます。両国間の具体的な問題について率直に話し合い、解決していくためには安定的な外交関係が前提になければなりません。福田総理が、こうした問題を提起して解決への努力を求めた一方、深追いしなかった対応は適切であったと考えます。

 

◆中国の課題解決にソフト面での協力を強化

中国もこれから国際社会の信頼されるメンバーとなっていくために、解決しなければならない課題は山積しています。環境の保全、人権の擁護、表現・信教の自由、知的財産権の保護、法の支配の確立、国際社会と調和した途上国支援、社会保障制度の整備といった課題です。こうした課題の解決に向けて、中国としても積極的に取り組んでいくことを期待しています。また、わが国としては、これからの対中支援は、従来の円借款によるインフラ整備中心から、日本の経験や知識を生かしたソフト面に軸足を移していくべきだと考えます。