公務員制度改革基本法案成立、新時代に信頼されるシステムをめざして

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先週、終盤国会の懸案の一つであった「公務員制度改革基本法案」が自民・公明・民主三党共同による修正を経て、成立しました。私も、修正案提出者として衆参の内閣委員会で委員からの質疑に対して答弁するなど、成立に向けて力を尽くしました。

当初は、与野党の主張にかなり隔たりがあり、時間的な制約も考えると今会期中の成立が危ぶまれ、マスコミも無理だと報じていました。しかし、福田総理の指揮の下で渡辺喜美大臣が東奔西走されるとともに、与野党関係議員が何として成立させるとの強い意志の下で精力的に協議を重ねて、合意に達することができたものです。与野党双方の立場から見れば、完全な結果とは言えませんが、必要な主張と妥協を行い、結論を導きだしたことの意義は大きいと考えています。“ねじれ”国会のもとでの政策合意のモデルケースになればと期待しています。

 

◆現在の公務員制度は“機能不全”

日本の官僚システムは、かつては政策の立案力や行政執行の確実性において海外からも一目置かれる優秀で強力な存在でした。しかし、長年の慣習や縦割り省益にとらわれて、今日の世界や国内の劇的な環境変化に適応できなくなってきているのが現状ではないでしょうか。また、“天下り”問題や信じがたい不祥事が続発するなどモラルの低下には目に余るもがあります。また、社会保険庁に代表されるように、ことなかれ主義の無責任極まる仕事ぶりに対して、国民は失望し、憤っています。

このように、現在の公務員制度は、まさに制度疲労を起こし、機能不全に陥っていると言わざるを得ません。

 

◆政治主導で活力のある制度に改革

公務員制度改革の必要性は以前から強く認識されており、平成12年には公務員制度改革大綱が閣議決定されています。その後、多様な意見の調整に手間がかかり、必ずしも順調に進んできたわけではありませんでした。しかし、政府・与党では、適宜民間有識者会議を設置して検討を依頼するなど、能力実績主義の導入や“天下り問題”解決まで広範な問題に確実に取り組み、成果を残してきました。私は、この間党の公務員制度改革委員長を断続的にではありますが、長くつとめ、制度改革を推進してきました。

今回の法案は、縦割り行政の弊害を排除して内閣が一体となった政策運営を行うための内閣の人事権の強化、国家戦略スタッフや大臣スタッフの設置など政治主導実現のための方策も盛り込まれています。また、固定化・硬直化している現在の人事システムを見直して、多様で意欲・能力の高い人材を登用するために、“キャリア・システム”の廃止や官民人材交流の促進などが規定されています。

 

◆改革の継続こそ重要

今回の法案でも、公務員制度の方向性は明示されましたが詳細な制度設計は今後の検討に委ねられています。また、現在の制度は過去数十年かけて形成されてきたものであり、すべてをいっぺんに改変することには無理があります。残された課題も含めて、絶えず改革をつづけていくことこそが重要です。