党金融調査会で振り込め詐欺救済法案の施行状況 偽造・盗難キャッシュカード被害対策について検討

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私が委員長をつとめる党金融問題調査委員会の会議において、金融庁及び預金保険機構から議員提案で成立した「振り込め詐欺救済法」の施行状況及び偽造・盗難キャッシュカード等による被害発生と補償の現状についてヒアリングを行い、今後の対策について検討を行いました。

 

○ 振り込め詐欺関係

振り込め詐欺救済法による公告手続きが開始

はじめに、金融庁から本年も引き続き“振り込め詐欺”の被害件数・金額とも増加傾向にあるとのデータが示されました。それに対して、警察庁・法務省策定の「振り込め詐欺撲滅アクションプラン」に基づき、金融機関においてATM周辺での携帯電話を使用しながらの機械操作の自粛要請、顧客に対する注意喚起・声掛け等の対策強化に取り組んでいるとの報告がありました。

また、「犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払い等に関する法律」(通称:振り込め詐欺救済法)が6月21日に施行されたことを受けて、預金保険機構で7月16日に、犯罪に利用された疑いがあるため凍結されている口座の失権手続きの公告が預金保険機構のホームページ上で開始されたとの報告がありました。対象となる約21万口座、約1,321億円の内、第1回として6,031口座、約17億円分が公告され、今後順次公告されることになっています。

振り込め詐欺の被害にあわれた経験のある方は、預金保険機構のホームページをご覧になってみてください。(http://www.dic.go.jp)これらの口座の多くは少額の残高しかないものではありますが、中には相当な金額のものもあります。所定の手続きを経て被害者に分配されることになります。

「振り込め詐欺救済法」は、自民・公明の与党有志により立案され、昨年6月に議員提案で成立しました。私は、法案の立案段階から検討に加わり、金融庁・警察庁等の行政や全国銀行協会等と協力して立法作業を進めてきました。

 

金融機関の対策強化等を要請

金融問題調査委員会での議論では、振り込め詐欺による被害拡大防止のために金融機関におけるATM周辺での監視強化等の対策の一層の強化や犯罪に利用されていると疑いのある口座の早い段階でのチェックを要請しました。また、できるだけ多くの被害者の救済を図るために「振り込め詐欺救済法」による制度の周知への行政及び金融機関によるさらなる努力を要請しました。

 

○ 偽造・盗難カード関係

法制定等により被害は減少

金融庁から、平成18年2月の「預金者保護法」の施行及び平成20年2月の金融機関の「預金等の不正な払戻しへの対応に関する申合せ」の結果、金融機関の窓口やATMでの偽造・盗難キャッシュカード・通帳による払い戻しに対する対応の改善が進み、被害発生件数・金額とも減少しているとの報告がありました。(平成19年度下期で:偽造カード360件・2.6億円、盗難カード2,314件・9.5億円など)また、「申合せ」の趣旨を踏まえて、被害者に対する金融機関による補償の割合も増加しているとの報告がありました。

「預金者保護法」に施行により、偽造キャッシュカードによる被害に対して従来は金融機関側に過失があった場合にのみ補償が行われていたのが、被害者に過失がない場合には原則補償されることに変更になりました。また、「申合せ」により被害者救済の対象を盗難カードや通帳に拡大したことや補償認定要件の緩和が実施されたことにより、補償割合が大きく改善されました。私は、法律制定後の検証に携わり、金融機関への業務の改善を要請し、「申合せ」の決定を強く推進してきました。

 

金融機関の対応のさらなる改善を要請

金融問題調査委員会での議論では、被害者側ではカード・通帳が盗難にあったのか遺失したのか証明の難しい場合もあることから補償が十分に行われていないケースがあるとの指摘があり、制度の運用改善を求める意見がありました。また、ある事例では、深夜に何回もATM操作を繰り返して多額の預金が払い戻されており、金融機関の注意が不十分であるとの指摘がありました。