所得税減税と金融緩和が効果的な景気対策

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◆更なる健康・長寿社会をめざして

9月15日は敬老の日。先週末は自治体などが主催する敬老祝賀会が各地で開催されました。戦中戦後の大変な時代を生きられ、日本の経済発展を担われてきたお年寄りの方々には、後進の一人として心から感謝しています。わが国は、世界最高の長寿社会を実現しました。山紫水明の風土やバランスの良い食生活などが貢献していると言われていますが、皆保険の医療制度が大きな役割を果たしてきたのも事実だと思います。これからも更なる健康・長寿社会をめざして、医療や介護政策の充実に努力していきたいと願っています。

 

◆緊急経済対策の実行が最優先

世界的な経済構造の急激な変化に起因する景気後退が明らかになっています。今、政府・与党が最優先で取り組むべきことは、効果的な景気対策を機動的に打ち出していくことと中長期的な視点に立って競争力の高い経済再生に向けての構造改革の実行です。先ずは、先月末政府・与党でとりまとめた「緊急総合経済対策」を着実に実施していくことだと考えています。

 

◆金融緩和と所得税等減税の早期実施を

当面の最も有効な景気対策は、金融緩和政策によるマネーサプライの増加と所得税等の減税による消費の下支えだと考えます。金融政策については、現在0.5%の日銀の政策金利を再びゼロに引き下げ、さらに必要であれば量的緩和政策を実施するべきです。また、減税については、政府・与党で「緊急総合経済対策」に盛り込んだ、所得税・住民税の定額減税を早急に実施することです。その際は、少なくとも平成10年度に実施した2兆円程度の減税を2ヵ年程度実施することが必要だと考えています。

 

◆所得税減税は効果的で公平な対策

原材料や食料の価格上昇により、広範な家計・企業に深刻な影響が及んでいます。特に、生活費需品の価格高騰により家計は相当苦しくなっています。特定の業界等に助成するよりも、広く浅く恩恵の及ぶ減税の方が公平な政策です。また、定額方式を採用したことのより、最も大きな影響の出ている中堅・低所得層を支援することになり、消費の下支え効果も期待できます。さらに重要なことは、減税は特定業界等に対する補助と異なり、官僚の裁量を経ずに、直接家計を支援するもので、行財改革の方向と一致するものです。

定額減税に対しては、多くの識者からも賛同の意見が述べられています。「今回、(緊急総合経済対策で)評価できるのは、省エネ促進と意外に思われるかもしれませんが、定額減税です。」(高橋洋一東洋大教授・週刊文春9.18号)、「定額減税は国民生活のこれ以上の低落を防ぐ大変有効な方策である」(「森田実の言わねばならぬ」9.4その5)、「筆者は景気対策が避けられないなら、特定層に恩恵を与える歳出拡大よりも、国民の広い層に恩恵の及ぶ減税に力点を置くべきだと考える。」(長谷川幸洋論説委員・東京新聞9.3)などです。