内閣・与党で新・経済対策を決定

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30日、麻生内閣・与党では、これまで議論を重ねてきました新たな経済対策「生活対策」を決定しました。この新・経済対策(「生活対策」)は、国際的な金融資本市場が100年に一度とも言われる大混乱に陥って世界経済全体が減速する中で、わが国経済の停滞が長期化・深刻化するおそれがあることに対応して策定されたものです。景気後退の影響は、いずれ国民全体、特に経済的な弱者に波及していくのは避けられません。そのため、「生活対策」では、暮らしの安心が脅かされている「生活者」、資金繰りに苦しむ「中小・小規模企業」、都市部との格差に悩む「地方」に焦点を当てた対策に重点をおいています。具体的な施策は、

  1. 生活支援定額給付金(所得税等定額減税の振り替え)2兆円などの「生活者の暮らしの安心」
  2. 中小・小規模企業等の支援対策などの「金融・経済の安定強化」
  3. 高速道理料金の大幅引き下げや住宅投資促進策などの「金融経済の安定強化」

の3本の柱からなる9項目の幅広い分野から構成されています。  「生活対策」の規模は、国費5.0兆円程度、事業費26.9兆円となります。それ以外に財政投融資の追加1.5兆円及び21年度税制改正において実施する相当額の減税が盛り込まれています。  以上の施策に要する財源については、財政投融資特別会計の金利変動準備金を活用することなどにより、赤字国債に依存しないこととしています。

 

総理指示をもとに与党実務者で精力的に検討

麻生総理は、16日に補正予算が成立して直ちに政府・与党会議を開き、追加的な経済政策、景気対策の検討を指示しました。その後、自民党・公明党の政調会長をキャップとする政策実務者で、21~30日まで5回にわたり検討を重ねてきました。また23日及び27日には、総理官邸で麻生総理、河村内閣官房長官も参加しての会議を開き、席上、麻生総理から追加的な指示がありました。  与党政策実務者会議には与謝野大臣のほか、自民党側から保利政調会長、園田同代理、柳沢衆院議員、また公明党側から、山口政調会長、石井同代理、私の計6名が参加してきました。

 

定額減税を給付方式で前倒し実施

これまでに、年度内実施が決定されていた所得税・住民税の定額減税等については、景気が更に厳しくなる中で効果をより迅速に実現すること、減税の恩恵が及ばない非課税等の低所得者にも公平に行き渡らせるために、給付方式で行うことで決定しました。この給付は、総額2兆円とし、年度内に実施することが決まり、詳細な制度設計は与党で早急に協議して決定することにしました。

 

持続可能な社会保障制度構築に向けた中期プログラムの策定

「生活対策」では日本経済が「全治3年」と言う基本認識のもとで、今年度から取り組む方針を打ち出しています。当面は「景気対策」、中期的には「財政再建」、中長期的には「改革による経済成長」の3段階で経済財政政策を進めることとしています。 そうした考えのもとで、持続可能な社会保障制度構築とその安定財源確保に向けた中期プログラムを年末までに策定することを明記しました。その中では、

 

  1. 3年以内は景気回復を最優先し、減税等を時限的に行う。
  2. 経済状況好転後には、年金・医療・介護等の社会保障給付に要する費用に見合った負担を確保するため消費税を含む税制抜本改革を速やかに開始し、2010年代半ばまでに段階的に実行する。ただし、その間歳出のムダの排除と行政改革を徹底し、社会保障とその他の予算とは厳密に区分経理する。
  3. 社会保障の安定財源確保、成長力の強化、社会におけるさまざまな格差是正等の課題に対応するため、年末までに、個人、法人の所得課税、資産課税、消費課税の各税目の改革の方向性を明らかにし、それに基づき改革を断行する。

という今後の基本的な段取りを明らかにしています。

 

 ○「生活対策」の主な内容

「生活対策」の主な内容は以下の通りです。詳しくは、内閣府のホームページをご参照ください。

 

1.生活者の暮らしの安心

(1)家計緊急支援対策

  • 生活支援定額給付金(定額減税の振り替え)2兆円の年度内実施
  • 雇用保険料の引き下げ(労使とも一人600円/月程度)

(2)雇用セーフティネット強化対策(60万人分の雇用の下支え)

  • 年長フリーターの積極雇用を行う事業者に対する奨励金(3年間)など非正規労働者の雇用安定対策の強化
  • 中小企業緊急雇用安定助成金の拡充など

(3)生活安心確保対策

  • 消費者庁の設置など消費者政策の強化
  • 介護報酬改定(21年度でプラス3.0%)などによる介護従事者の処遇改善や介護人材の金融確保対策の実施
  • 「安心こども基金」創設による子育て支援サービスの緊急整備、妊婦健診の無料化に向けた取り組みの推進、など
  • 障害者自立支援対策臨時特例交付金基金の延長・積み増しによる事業所支援、など

 

2.金融経済の安定強化

(4)金融資本市場安定対策

  • 国際金融資本市場の安定化に向けた国際協調の推進
  • 国内市場の安定に向けた対策の実施
  • 「改正金融機能強化法」の活用による地域金融機関等の資本増強を支援
  • 生命保険契約者保護対策の充実
  • 株式配当にかかる課税軽減制度の延長、企業型確定拠出年金における個人拠出の導入、など

(5)中小・小規模企業等支援対策

  • 信用保証協会による緊急保証枠の追加(6→20兆円規模)
  • 政府系金融機関によるセーフティネット貸付の金利や貸付条件の見直し、貸付枠の拡大(3→10兆円規模)
  • 地域建設業経営強化融資制度の活用(11月事業開始)
  • 中小企業に対する軽減税率の時限的引き下げ、欠損金の繰戻し還付の復活、など

(6)成長力強化対策

  • 省エネ・新エネ設備の即時償却などの投資促進税制
  • 世界最先端の研究開発、イノベーション促進、など

 

 3.地方の底力の発揮

(7)地域活性化対策

  • 平日の割引がなかった時間帯への割引導入、休日の長距離料金や首都高速・阪神高速利用料金の引き下げなど高速道路料金の大幅な引き下げ(22年度まで)
  • 安全・安心な交通空間の確保と物流コストの低減等に直結する交通ネットワーク整備
  • 技術開発の加速と農商工連携、国産農産物の積極的な活用、など

(8)住宅投資・防災強化対策

  • 住宅ローン減税の延長・拡充、省エネ・バリアフリー化等の住宅リフォーム減税の導入
  • 公共施設の耐震化等の防止対策

(9)地方公共団体支援

  • 地域活性化等に資するきめ細かなインフラ整備などを進めるための臨時交付金(時限措置として6,000億円規模)
  • 道路特定財源の一般財源化に際し、1兆円を地方の実情に応じて使用する新たな仕組みをつくる。