雇用の安定・拡大が緊急課題に

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◆政府・与党で機動的な景気対策を実行

景気の行方が一段と厳しさを増しており、今、政治が真っ先に取り組むべきは景気対策です。現在の景気後退は、国際金融市場の混迷に端を発する世界規模での急激な景気悪化に起因するものであり、激しい変化に的確に対処していくためにはスピード感のある対策が何よりも重要です。残念ながら、これまでの内閣・与党は若干スピード感が不足しているとの印象を与えてしまっているのではないかと感じています。財政事情がきわめて厳しい現状では新たな財政出動には、財源の捻出等慎重な検討が必要であり、そのために多少時間がかかってしまうのは仕方のないことではあります。しかし、最早そういう猶予が許されないほど緊迫した事態になっています。政府・与党が一体となって、国際的な動向を注視しながら機動的な経済運営に努めるとともに、的確な景気対策を果断に実行していくべき時です。

 

◆予算編成・税制改正論議をスタート

政府・与党では、先週から

平成21年度予算編成と税制改正の議論を開始しました。3日には、与党での議論を踏まえて「予算編成の基本方針」が閣議決定されました。また、今週中にも「税制改正大綱」を決定する予定です。

私は、政府から提示された当初の文案が、「経済危機との認識が欠けている」と指摘し、政府・与党が当面は景気対策を最優先で取り組んでいく姿勢を明確にするよう強く求めました。今後とも、財政健全化に取り組むことは必要なことではありますが、緊急事態にあってメリハリを利かして、必要な景気対策は機動的に実行していくことが必要だと考えており、今後の具体的な議論においてもその方針で臨んでまいります。

 

◆雇用情勢が一段と悪化

これまで経済成長を支えてきた自動車・機械等の輸出産業の海外売上げが急減して、国内の関連部門にも重大な影響が及んできました。大企業でも、派遣など非正規労働者の雇止め・解雇が急増しており、深刻な雇用問題が発生しています。また、新卒者の就職内定が一方的な取り消しになっている事例も多くなっています。

多くの企業が急激な経営環境の悪化に直面している現実はわからなくもありませんが、企業の社会的責任も十分自覚して、雇用の安定に、できる限りの努力をすることを期待しています。また、政府としても可能な限りの支援を行っていかなければ成りません。

 

◆政府・与党で新たな雇用対策の検討に着手

政府・与党では、先週から雇用悪化の緊急事態を受けて、新たな雇用対策の検討に着手しました。10月末に策定した「生活対策」においても、いわゆる“年長フリーター”の正規雇用の支援、職業訓練時の生活支援の拡充等の60万人分の雇用下支えのためのセーフティーネットを強化することを盛り込んではいます。

現在、それに加えて、①雇用保険の非正規労働者に対する現行適用基準である“一年以上の雇用見込み”を見直して適用を拡大する、②雇用調整助成金や中小企業緊急雇用安定助成金の対象を被保険者期間が6ヶ月未満の労働者にも拡大する、③ふるさと雇用再生特別交付金の創設など雇用維持・再就職支援のための対策を実施する予定です。また、社員寮等から退去せざるを得ない離職者の住宅確保や障害者・母子家庭の就労支援など弱い立場の者への支援強化や相談体制の充実などきめ細かな対策の実施を検討しています。