コーネル大学トーマス経営学大学院学長と会談

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20日午後、都内のホテルにおいて私が1984~86年に在籍し、MBA(経営学修士号)を取得したコーネル大学S・C・ジョンソン経営学大学院(S. C. Johnson Graduate School of Management =JGSM)のL・J・トーマス学長と会談し、世界的な経済危機の現状とそれに対する対策などについて意見を交換しました。その後、コーネル・クラブ・オブ・ジャパン(同窓会)主催のレセプションが開かれて、JGSMのみならず各学部のOBが約90名参加しました。

トーマス学長の専門は、生産管理と定量分析を専門であり、JGSMで長年教鞭をとるとともに、多数の著作や論文を発表しており、この分野の権威でもあります。今回は、ホンコン・韓国を訪問し、それぞれの地でJGSMのOBなどと交流してきたとのことでした。なお、トーマス学長のプロフィールはコーネル大学のウェッブサイトをご参照ください。

 

コーネル大学トーマス経営学大学院学長と会談
米国コーネル大学ジョンソン経営学大学院トーマス学長と

 

不況下でもJGSMは順調に発展

トーマス学長は、JGSMは全米のビジネススクールのランキングでトップテンを安定的に維持するなど高い評価を得ていること、近年の厳しい経済環境に中でも入学希望者が増加しつづけていることなど順調な発展ぶりについて述べました。ここ数年、学生の就職は従前に比べて厳しくはなっているものの、ほぼ希望どおりの職に就いているとのことでした。また、コーネルの世界的なネットワークが大学の最大の強みであり、今後ともOBも含めた組織の強化が大切であると強調しました。

私からは、コーネルのOB組織は日本でも最も活発であることが最大の誇りであると述べました。

 

経済危機克服に積極的な財政政策が必要

トーマス学長は、米国経済は、サブプライムローン問題発生以来、負の連鎖がつづいており、この状況を打開していくには、積極的な財政出動により需要・雇用を創出する積極的な政策が必要であると述べていました。また、私からの質問に答えて、新政権の積極財政政策について専門家の中には、財政赤字の増大にともない金利上昇や通貨の信任低下など中長期的な懸念材料を指摘する者が多いのは事実であるが、当面の極度の需要不足を解消するためには他に有効な方法がないとの考えを示しました。経済の負のスパイラルを食い止めるためには、とりあえず可能なこと何でもやるというのが正しい選択であると述べました。

さらに、トーマス学長は、多くのエコノミストが予想するように本年後半に景気が回復するというのは楽観的過ぎる見方であるものの、生産回復によって2010年には徐々に改善していくとの考えを示しました。その上で、米国の製造業の多くは、研究開発能力や生産効率が日本などに比べて低いといった構造問題を抱えており、海外からの直接投資の積極的な受入などを通じて改善していく必要性を強調しました。

私からは、日本経済は世界的な景気後退の結果、輸出関連産業の経営が悪化して、その影響が金融システムや内需関連産業にも及んでいる深刻な事態を説明するとともに、政府として、経済危機を乗り越えるために金融・財政などのあらゆる政策を総動員しているところであると説明しました。