鳩山・小沢の偽装献金事件の犯罪性についての見解

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鳩山総理の政治団体に絡む“故人献金”事件に対する捜査が進められています。鳩山総理の“金庫番”であったといわれている政治団体の会計責任者であった元秘書らが起訴される見込みであると報道されています。鳩山総理本人や親族については、直接的な関与が立証できないことから、とりあえず検察の捜査は“幕引き”ではないかとの観測が広がっています。

捜査当局は、あくまで“法と証拠”に基づき適切に行動しているものと信じます。政治が犯罪捜査に介入するべきではないと考えていますので、あえてコメントはいたしません。しかし、鳩山総理の政治責任は重大であり、私は、総理を辞任することは当然として、議員も辞職するべきだと考えます。

一部のテレビのコメンテーターなどは、“裏金”の出所が母親など鳩山家の資産であると言われていることから、企業や団体からの献金と異なり悪質性が低いと受けとめられる意見を述べていますが、事件の本質を理解しない的外れな見方だと感じます。今回の事件は明らかに悪質な犯罪です。

また、政治資金規正法違反の疑惑が問われている小沢民主党幹事長や二階衆議院議員も事案の内容に応じた適切な責任をとるべきですし、鳩山邦夫衆議院議員も“脱税”疑惑などが事実とすれば、当然辞職すべきであると考えています。以下、その理由を申し述べます。

 

1.収支報告書の虚偽記載は明らかな犯罪

会計責任者による収支報告書への虚偽記載は「政治資金規正法」第12条に違反する犯罪行為であり、「5年以下の禁固又は100万円以下の罰金」の罰則も定められています。したがって、今回の事件のように明らかに故意に偽装した場合に、会計責任者が処罰されるのは当然です。

また、今回の事件のように巨額の虚偽記載が行われた場合に、議員が知らなかったということがあるのか、疑問に思います。万一、承知していなっかったとしても監督責任は明白であり、責任をとるのは当然ではないでしょうか。鳩山総理自身が以前には、自民党元幹部の秘書の脱税事件に関して「秘書の犯罪は議員の犯罪と同様」の趣旨の発言を行っていますが、まさにその通りだと考えます。

 

2.政治資金規正法がめざしている“透明性”を損なう

政治資金規正法第1条には、この法律の目的が「・・・政治団体及び公職の候補者により行われる政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため・・・政治活動の公明と公正を確保し、もって民主政治の健全な発達に寄与すること」とあります。また、同法第2条には、「・・・これに対する判断は国民にゆだね・・・」とあります。

虚偽記載は、「政治資金規正法」が目的としている透明性を損なう行為であす。また、今回のような悪質な偽装は国民の適正な判断のベースとなるべき情報が“ウソ”であったことを意味しており、議員の資格そのものに疑義が発生します。もちろん選挙時に政治資金だけが投票の判断材料になるわけではないし、多くの有権者は必ずしもそこに高い関心を持っているわけではないとは思います。しかし、“ウソ”の情報の下で行われた選挙が果たして公正といえるのでしょうか。

 

3.脱税事件の解明が必要

鳩山総理が代表をつとめる民主党支部の収支報告書においては、引退者を含む多くの同党議員名義の個人献金が記載されています。その一部については、所得税の寄付金控除証明書が発行されており、税の還付を受け取っていた可能性があります。事実とすれば、詐欺行為であり、悪質な“脱税”です。

また、“裏金”の出所が総理の母親の個人財産だと報じられています。事実とすれば、贈与税を納めなければなりませんが、納税した形跡はありません。数億円に上るきわめて巨額・悪質な脱税です。報道では、修正申告して納税することを検討しているようでありますが、見つかったから税金を払えば済むというものではありません。鳩山氏については、有価証券の売却益にかかる納税も怠っていたことが明らかになっています。国民の義務である納税をまったく意に介さない“脱税常習者”が総理大臣はもとより国会議員としての資格があるのでしょうか。

一方、仮に母親からの資金提供を“貸付”であると強弁したとしても、その行為は政治資金規正法に認められている個人献金の上限を大きく超える違法行為であることは間違いありません。

 

小沢幹事長事件の真相解明も必要

小沢幹事長については、西松建設等の企業から受け取った企業献金が偽装されていた疑惑がもたれています。また、その見返りに公共事業の契約をめぐり、便宜が図られていた疑惑があると報道されています。事実とすれば、「政治資金規正法」違反事件だけでなく、刑法等に違反する重大な犯罪の可能性があります。