経済・財政・社会保障も菅新内閣の政策は期待はずれ

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菅新総理の所信表明演説は期待はずれ

鳩山・小沢政権の退陣を受けて新たに菅内閣が発足しました。主要閣僚はほとんどが留任・横滑りで、信頼を失った前政権を継承する期待できない布陣です。11日には、菅総理による所信表明演説が行われ、「強い経済、強い財政、強い社会保障」を掲げましたが、政策アジェンダの設定は時宜に適い的確なものと受け止めています。しかし、具体的な方策が欠落しており、期待はずれとしか言えません。菅氏が副首相・財相をつとめていた前内閣では、経済運営の方針が定まらずに迷走を続け、大幅な歳出増によって財政悪化を進めました。また、今後の医療や介護などの社会保障政策のあり方についてまともな論議すらやってきませんでした。従来のやり方をどのように見直し、方針を転換するのかを示すことが重要ですが、残念ながら具体性にないスローガンだけに終わっています。

 

新内閣の経済政策の誤りを懸念

私は以前から、①短期的には需要不足に対処する財政出動と金融緩和、②中期的には財政健全化のための歳出抑制と歳入改革、③長期的には経済成長力の強化をめざした経済政策を提唱しています。民主党政権のこれまでの政策は逆行してきましたし、新内閣の方針も誤った方向に進むのではないかと心配しています。特に、菅総理が以前から主張しているように、子ども手当て等の給付の増額による内需拡大を図るという政策一辺倒では、短期的な景気・雇用情勢にも機動的に対処できないし、結果として財政の更なる悪化を招くことになります。また、鳴り物入りの「経済成長戦略」ですが、特定の産業分野を政府が助成する”計画経済的な手法”には疑問があります。市場はしばしば過ちを犯しますが、官僚が作る計画よりは効率的に機能するのはこれまでの実績を見れば明らかです。

 

クリーンな政治へのやる気がまったく感じられない

鳩山・小沢両氏絡みの悪質な政治資金犯罪に関する言及はなく、真相解明・再発防止へのやる気がまったく感じられませんでした。そもそも菅氏も前政権の副総理として共同責任を有しており、小沢氏ともきわめて近い関係を通してきたのですから当然かもしれません。前政権と一線を画して「クリーンな政治の実現」を掲げましたが、早くも馬脚をあらわしてしまいました。鳩山・小沢絡みの犯罪の幕引きにしようとする姿勢を許すわけにはいきません。

 

国会論戦を逃げるのは不誠実!

新内閣が発足したのですから、国会会期を延長して予算委員会など開くべきです。少なくとも一週間程度は基本方針に関する質疑を行い、課題を明らかにして論点を整理するのが筋だと考えます。参院選を間近に控えて、国会での論戦を通じて政策の問題点や内容の乏しさが浮き彫りにされるのを恐れているとしか思えません。また、鳩山・小沢犯罪のほか新たに浮上した荒井・川端・蓮舫三閣僚の政治団体の事務所費不正経理疑惑の隠蔽としか思えません。国会での論戦を逃げる姿勢は不誠実そのもので、国民を愚弄しているのではないでしょうか。