菅内閣の消費税引上げ論に異議あり!

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通常国会スタートで菅内閣の機能不全が露呈

24日から通常国会がスタートし、菅総理の施政方針演説と衆参両院での各党の代表質問が行われました。菅内閣の経済・財政や外交政策に関する基本方針の混迷ぶりが浮彫りになり、機能不全が露呈しています。”ねじれ”国会の中で、予算や関連法案の成立の目処も立たず、このままでは行詰ってしまうのは必至です。しかも、内閣・与党にはこの困難を乗越える意欲も戦略もまったく感じられません。最早、内閣が速やかに退陣し、改めて民意を問直すしか今の閉塞状況を打開する選択肢はなくなったのではないでしょうか。

 

消費税引上げは理解するも内閣の財政再建方針には疑問

菅内閣は消費税率を引上げる方針を打出していますが、財政立直しに向けての基本方針には違和感を覚えます。かねてからの増税論者である与謝野氏を経済財政担当相に迎える固執ぶりは異様とすら感じます。私は、少子高齢社会において安心できる社会保障制度を確立していくためには、安定した財源の確保が必要であることには同意します。税収の安定性、経済への影響、世代間の公平性等々を考えたときに、消費税増税が有力な手段であることは理解しています。しかし、マクロ経済情勢に対する適切な認識を欠いたまま財政均衡だけをめざす菅内閣の財政再建のやり方では、足下の景気・雇用の悪化を招き、将来の経済成長を妨げる恐れがあると考えます。

 

財政健全化に向けたの計画を提示するべき

国家財政の立直しが喫緊の課題であることは明らかです。中長期的な経済の安定成長を実現するためには早急に財政健全化の道筋を明らかにしていくことが求められています。

財政健全化には、①経済成長率の向上による税収等の増加、②恒常的歳出の縮減、③増税等による歳入増加という3つの手段がありますが、それらのバランスのとれた財政政策を実施していかなければ、立直しは不可能です。内閣・与党は財政健全化に向けた計画の全体像を提示した上で、その中で持続可能な社会保障度を確立するための消費税増税であることを明確にするべきです。

 

経済の安定成長と恒常的歳出の抑制が重要

菅内閣・与党は、名目3%成長をめざす成長戦略を発表していますが、そのための具体的な施策が完全に欠落しています。また、子ども手当てや高校無償化などの恒常的な歳出を拡大させている一方で、歳出抑制の努力がきわめて不十分です。このまま無計画・無責任な財政運営を続けていくと財政はかえって悪化し、その結果、際限のない増税によって経済の活力低下と家計の圧迫を招くことになりかねません。

適切な財政・金融政策を実施していけば、名目3.5~4%(実質2~3%)程度のGDP成長率を達成することは十分可能だと考えます。また、社会保障施策の合理化を行い歳出増嵩の抑制に努める一方で、思い切った行政改革を断行して簡素で効率的な政府に改めて、実質ベースでの予算規模を将来とも現状程度に抑えることが必要です。そうすれば、消費税率の引上げ等の負担増を最小限にとどめることが可能だと考えます。