社会保障制度改革に真正面から取組むべき時

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各種団体との政策懇談会を実施

先週は、公明党横浜市会議員団主催による経済・業界団体、医療・福祉団体等との政策懇談会が開催され、私も時間の許す限り同席しました。本年は、厳しい経済情勢を反映して、経済関係者からは、中小企業への経営支援や発注システムの改善などの関する切実な要望が特に目立ちました。また、参加者からは、迷走する内閣・与党の現状について、早急に政治がまともに機能することを訴える声が多くありました。(参加団体等詳しくは「活動報告」のページをご参照ください)

 

方向性の見えない社会保障・税一体改革

30日に、内閣・与党では「社会保障・税一体改革成案」を公表しました。菅総理や民主党幹部は、この「成案」をベースに野党への協議参加を呼びかけているようですが、与党内で調整が不十分で、閣議で決定・了解ができないものでは、話がはじまらないと受止めます。

「成案」を読みましたが、めざしている方向性が見えないというのが率直な感想です。総論部分で、「中規模・高機能な社会保障体制を目指す。」と述べていますが、各論部分を読んでも自公政権時の社会保障制度のメニューとほとんど変わらず、どのように違うのかが判りません。また、「給付の重点化・制度運営の効率化」と給付の伸びを抑制する方針も打出していますが、具体論はほとんど示されていません。従来、民主党が強硬に反対していた給付の重点化・合理化策を転換したのでしょうが、その点も判然としません。

 

消費税引き上げありきの財政試算

また、2015年と2025年における社会保障費の所要額を示していますが、消費税率を10%に引上げることを所与のこととして、つじつまを合わせた試算と感じます。本文を見る限り、到底この金額におさまるものとは思えません。増大する社会保障支出による財政赤字の”止血”のために、とりあえず増税を決めて、社会保障の具体論は先送りしたいという財政当局の思惑は理解しないものではありません。しかし、こうした目先のゴマカシは、先々「こんなはずではなかった」と国民の不信を一層大きくするものとなりかねません。

 

負担問題を先送りしてきた政治の責任

高齢化にともなう社会保障制度の給付増の財源をいかに確保するかという重要な課題は、残念ながらこれまでずっと曖昧にされ、先送りされてきました。政治が、経済成長による収入増という”夢”に固執して、困難な仕事を避けてきたことが最大の要因だと思います。結果的に、”木に竹を接ぐ”複雑で、給付と負担も判然としない制度となり、国民の不安と不信が高まってきました。この責任は、現在の与野党とも等しく負っているものだと言えるし、経済界やマスコミにも責任の一端はあると思います。

小泉~福田内閣の時には、長期的な社会保障改革に挑戦しようとしましたが、民主党の反発やマスコミの批判によって具体的な成果を見る前に頓挫してしまった経緯があります。今度こそ本格的な議論を期待したものの、財政赤字の”止血#”という中途半端に終わりそうです。社会保障は国の政策の最重要課題だと考えます。今こそ、現在の社会保障の課題や持続可能性に真正面から向き合い、長期的に安定した、安心できる制度を確立するための抜本的な改革に取組むべき時です。