景気回復と経済再生への10の提言

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連日の酷暑で例年に比べて熱中症がかなり多くなっているそうです。体調には十分ご留意いただきますようお願いいたします。先週末から、地域の夏祭りや盆踊りがはじまります。閉塞感が漂い、先行き不安の強い時であるからこそ、地域の絆を深め、元気を出していくことが重要だと思っています。私もできるだけ顔を出して交流を深めていきたいと考えています

 

今こそ日本経済再生への正念場

日本経済は、震災の打撃から回復に向かいつつあるものの、依然としてテンポは緩やかで、先行きが不透明な状態がつづいています。被災企業の復旧は予想を超えるスピードで進んでいますし、落ち込んだ消費も改善しつつあります。一方、政府の復旧・復興への対応の遅れやチグハグな打出しに加えて世界経済の減速傾向が、わが国の景気回復への懸念材料になっています。また、少子高齢化による国内社会の仕組みや国際経済情勢の変化といった構造問題に的確に対応する必要性に迫られています。

今はまさに、当面の景気後退を防ぎ、将来の成長の道筋をつくっていく上での正念場であると思います。残念ながら、内閣・与党の認識は甘く、経済にまったく関心がないのではないかとすら感じられます。今後の日本経済にとっての最大の下ぶれリスクは、内閣・与党であると言えます。

 

◎経済再生への提言

当面の景気・雇用の回復と将来にわたる潜在成長力を高めるために必要と考える政策を以下に提言します。

 

○景気後退を防ぐために緊急に実施するべき政策

(1) 国の主導で瓦礫処理やインフラ復旧事業を迅速に執行するべきです。また、国と地方が協力して復興計画の骨格を決定し、年度内に復興事業に着手するべきです。

(2) 需要不足に対応するため、被災地に限らず全国で、公共施設耐震化等の防止機能の向上、省エネに資する施設の改善・整備などの事業を追加実施するべきです。

(3) 被災地での事業用施設の復旧や新規設投資については、全額即時償却など法人税の大幅な負担軽減を図るべきです。

(4) 被災地の農林水産業復興のために、生産性の高い経営体や生産施設の再編・整備のプランを国が早急に打出して、集中的に事業を実行するべきです。

(5) 日銀と連携して、金融の一層の緩和と金利上昇を防ぐためにあらゆる政策ツールを動員する方針を打出すべきです。

 

中長期的な成長力向上のために実施するべき政策

(1) 企業の経営環境の改善と設備投資・雇用の拡大、海外からの投資を誘導するために、2011年度から法人税負担を軽減するべきです。(ただし、復興財源調達のため税率を引下げた上で2013年度から3ヵ年限定で超過課税を行うこととします。)

(2) 世界とともに成長する日本をめざして、双方向の貿易・投資の拡大を図るためTPP交渉等に積極的に参画していくべきです。

(3) 新分野への挑戦や新規起業の促進に資する規制等の見直しや金融仲介機能の強化を戦略的に進めるべきです。

(4) 大学・大学院の質的な向上により、創造性の高い人材、知識・情報集約型産業をリードする人材の育成に力を入れるべきです。

(5) 国・地方の支出合理化や適切な税制改正によって財政の健全化を達成するべきです。