充実・持続可能な社会保障制度のグランド・デザインを

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「敬老に日」に先人の努力に感謝

先週末は、各地で地域の「敬老会」などの行事が開催されました。私もご案内いただいた催しに参加させていただきましたが、高齢者の皆さんがとても活動的、意欲的なのに改めて感心しました。皆さんが、激動の時代を生き抜き、今日の日本の発展と繁栄を築いてこられたご努力とご功績に厚く御礼申し上げます。

 

充実・持続可能な社会保障制度の確立が必要

日本は、世界でもいち早く本格的な長寿・高齢社会を迎えています。これからの安心・安定の経済・社会を構築していくためには、将来にわたって充実したしかも持続可能な年金・医療・介護などの社会保障制度を確立していかなけばなりません。

増大する社会保障費が国家財政を圧迫していることは否定できません。本年度一般会計予算では、28.7兆円に達し、政策経費(国債費・地方交付税交付金を除く)の53%超を占めています。また、過去十年間平均して毎年1兆円伸びており、民主党政権になってからはさらに加速しています。深刻な財政の健全化を実現するためには、長期的なサービス水準とそれを賄う財源をどうするのか、真正面から議論を深め、早急に社会保障の「グランド・デザイン」を打出す必要があります。これが今日、政治に課された最大の責任だと考えます。

 

与野党で社会保障のサービスと負担に関する合意形成を

7月には、内閣・与党が「社会保障・税一体改革成案」を公表しました、具体論がほとんど詰まっておらず、信頼に足る内容とは程遠いものです。特に”機能強化”とは言うものの、どの施策をどのように強化するのか判然としませんし、”重点化・効率化”とは言うものの、どこを抑制するのかも不明です。(詳しくは、いさむのひとこと)7月11日付をご参照ください)自公政権による社会保障費の伸びを抑制する取組みをことごとく批判し、財源はいくらでも出てくると強弁していただけに、事実に基づく具体的な提案ができないのでしょう。先ずは、これまでの否を率直に認めて、野党時代の無責任な主張を白紙撤回することです。その上で、自公など野党に協議を呼びかけて、財源を含む社会保障制度のあり方に関する幅広い合意形成に早急に取り掛かるべきです。

 

復興増税は財政健全化に対して無意味、「百害あって一利なし」

充実した、しかも持続可能な社会保障制度を確立することは国民生活の安心・安定にとって不可欠です。私は、費用の伸びを抑制する努力をできるだけ行ってもなお財源不足は避けられないと考えています。消費税の引上げ、所得税・法人税や社会保険料の見直しを行って歳入を確保するとともに、所得再分配機能を強化することが必要だと考えています。

現在、内閣・与党では震災の復興財源を手当するために所得税や法人税の増税を検討しています。しかし、社会保障費を含めた本質論抜きには、財政の健全化を図るという観点からはほとんど意味がありません。安易な増税は、厳しい景気をさらに悪化させるだけになり、まさに「百害あって一利なし」だと考えます。今、重要なのは、短期的な景気対策の実行と中長期的な財政健全化のための本源的な議論です。