財政健全化に真剣に着手すべき時だ

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台風15号の豪雨や強風で全国各地に大きな被害をもたらしました。被災された皆さまに謹んでお見舞い申し上げます。首都圏も公共交通の運行停止が続発して、帰宅にご苦労された方も多かったと思います。私も当日は東京にいたので、JR線の不通で足止めされて、結局横浜に帰り着いたのは零時過ぎになってしまいました。

 

財政健全化の道筋を明確にしていくべき

アメリカも欧州各国も財政悪化に苦しんでいますが、それ以上に厳しい状況にあるのが日本です。昨年度末で国の長期債務残高は約668兆円とGDPの1.3倍を超えています。このまま債務が増え続けると、返済のために政策経費が圧迫されるだけでなく、次世代に負債を先送りすることになります。将来の活力と安心の経済・社会のためにも、財政健全化の道筋を早急に明らかにするため真剣な取組みが必要になっています。

 

財政悪化の要因の把握なくして対策は打てない

日本の財政は1990年代に入ってから急速に悪化し、1990年度~2011年度に債務残高は500兆円以上増加しました。その要因は主として、次の3点が挙げられます、

① デフレ不況の長期化による税収等の減少(約180兆円相当)

② 景気対策として実施した公共事業費の増加(約60兆円相当)

③ 高齢化等にともなう社会保障関係費の増加(約170兆円相当)

なお、その他の要因が約90兆円相当です。(以上の数値は財務省資料を基に私が試算したもので、90年度予算からの増加額から減少額を引いたネット値です)

野田総理は、2020年度までに基礎的財政収支の黒字化を国際社会に公約しましたが、財政悪化の要因を正しく把握しなければ有効な解決策は打出せません。

 

デフレの克服と安定成長の達成が最重要

以上の要因分析から明らかなように、長期化しているデフレを克服し、安定した経済成長(名目3.5%超を目標)を達成することが最も重要です。日本経済は、このままでは景気・雇用が”底割れ”を起こしかねない厳しい状況にあると認識しています。したがって、短期的には、金融の一層に緩和と積極的・効果的な財政出動によって景気を下支えする政策を採るべきだと考えます。

 

歳出の徹底合理化と税・社会保障の一体改革を進めるべき

すべての分野の予算を徹底的に洗い出して、不要不急の支出の削減するとともに施策の優先順位を明確にして歳出総額を抑えていくことが先決です。しかし、それだけでは十分でないことは民主党政権下で赤字が更に増加していることからも明らかです。政策的経費の過半を占める社会保障費の改革が不可欠です。高齢化が進めば支出が伸びるのは当然のことであって、一律に伸びを抑制するのには限界があります。事務・事業の見直しによって歳出の伸びを極力抑制する一方で、税や保険料の引上げで必要な財源を確保するしかありません。中途半端なままになっている、「税・社会保障の一体改革」の具体的な議論を与野党で進めて、内容を詰めていくべきだと考えます。現在、内閣・与党は、”復興財源”の議論ばかりに傾注していますが、”本丸”の議論を避けていては何にも解決できません。