民主党政権は経済対策に本腰を入れて取組め!

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補正予算がようやく衆院通過するも執行に課題

先日、日米外交・安保研究の第一人者である米国ジョンズ・ホプキンズ大学ライシャワー・センターのケント・カルダー教授と懇談する機会がありました。教授は、アジア・太平洋地域の政治・安保・経済情勢が変遷する中で、民主党政権下で日米両国政府間の信頼関係がギクシャクしてしまっていることをとても心配していました。野田内閣には関係立直しを期待していましたが、政権の安定性や政策の一貫性について懐疑的でした。(懇談の内容については「活動報告」のページをご参照ください)

 

世界経済情勢が一段と厳しく

世界経済に暗雲が立ちこめています。欧州では、ギリシャ危機の影響が広がり、スペイン・イタリアなど財政不安のある国々の国債が暴落しています。欧州中央銀行(ECB)や主要国が事態収拾に乗り出していますが、緊縮財政による消費後退や金融の機能低下によって、展望はきわめて不透明です。米国においても、民主・共和両党間が経済政策の基本的な考え方で厳しく対立しており、必要な景気浮揚・雇用拡大対策が円滑に発動できない事態がつづいています。さらに、これまで世界経済を牽引してきた新興国も急激なインフレなど深刻な問題をかかえています。

 

民主政権の誤った経済・財政政策を転換すべき

日本経済は、足下の状況が厳しさを増しており、先行きも悲観的な見方が広まっています。震災の打撃から何とか回復の兆しが見えてきたところに、世界経済の後退とそれにともなう異常な円高・株安の直撃を受けています。民主党政権は、厳しい経済に対する現状認識が不足しています。第三次補正予算では、自・公など野党からの強い要請もあって中小企業経営支援などが盛り込まれてはいるものの、その場しのぎの不十分な内容に終わっています。経済・財政の失政がつづくと、景気・雇用が底割れを起こして取返しのつかない事態に陥る危険性が高まっています。経済政策に本腰を入れて、従来の民主党政権下での誤った経済・財政政策を速やかに度転換して、あらゆる政策を総動員して対応することを要求します。

 

全体観なき民主政権の負担増政策は衰退を招く

日本経済の短期的な課題は、需要不足に起因するデフレと円高です。国債買いオペ拡大のほか”非伝統的”な手法も含めた一層の金融緩和を継続して実施するとともに、需要創出の呼び水として積極的・効率的な財政出動を提案します。また、中長期的には、歳出抑制と公的資産の縮減を含めた財政健全化の道筋を明らかにすることです。同時に、潜在的な成長力を回復・向上をめざした経済・社会システムの改革を打出す必要があります。

野田内閣の負担増一辺倒の経済財政政策は、日本を間違った方向に導こうとしています。増加する社会保障費の安定財源として消費税等の引上げの必要性は理解しますが、内閣がやろうとしているのは部分ごとの帳尻合せだけで、将来の経済・社会の全体観が抜け落ちています。このままでは、経済の再生と財政の健全化のいずれも達成できず、結果的に経済・社会を活力を削いで、国力の衰退と生活水準の諦観を招くだけに終わってしまいます。

 

(通算422号)