臨時国会では目立った成果なく、政権担当能力の限界が露呈

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本年も残すところあとわずかになってきました。先週・先々週と、町内会の餅つき大会が開催されました。都会では、子どもたちが餅つきを体験する機会も少なくなっており、地域でこうした伝統文化の継承に努めているのはとてもすばらしいことです。どこでも大人も子ども賑やかに餅つきを体験し、つきたてのお餅を美味しそうに食べていました。

 

臨時国会での成果は乏しく

10日に臨時国会が閉幕しました。自民・公明など野党の積極的な協力で震災復興費計上した第三次補正予算が成立したほか、「復興庁設置法」など震災関連の法案は野党主導で修正を加えられた上で成立しました。「復興財源法案」は三党で合意されたものではありますが、財政の健全化にとって無意味である一方、法人税の引上げなどにより景気・雇用の足を引っ張る恐れの強い不適切な政策だと考えます。

震災関連以外は目立った成果のない国会でした。ほとんどの報道の評価が否定的なのも当然でしょう。内閣が自ら約束した、「国家公務員給与引下げ法案」、「労働者派遣法見直し」、「郵政事業見直し法案」、「衆院選挙定数是正」などはいずれも先送りとなりました。また、緊急課題である景気・雇用についても内閣から具体的な方針が示されることなく、経済対策もまったくと言っていいほど進展しませんでした。

 

国会の機能低下は内閣・与党の責任

国会が十分機能していない責任は専ら内閣・与党にあります。”ねじれ”国会の難しさはありますが、現在の惨状はそれ以前の問題だと考えます。首相の政策方針が内閣・与党内で共有されていないために身内の調整に時間が空費され、野党にキチンとした協議を呼びかけるにまで至らなかったケースが多くありました。また、国会運営も統一性・計画性が乏しく、混乱つづきだったようです。民主党の政権担当能力の限界が露呈した感じです。これ以上、政策を決定し、実行する意欲や能力が欠けた状態がつづくことは、国家・国民にとって大きな損失になると感じます。

 

公務員給与引下げ法案の先送りは疑問

内閣は、復興増税で国民に負担をお願いする前提として、国家公務員の給与を特例的に8.7%引下げる法案を提出しました。しかし、労働組合から要求の強い、現行制度の下では制約されている公務員の労働基本権を付与する措置と”抱合わせ”で実施する方針をとりました。自民・公明の野党は、労働基本権問題についてはコンセンサスができていないことから、この問題とは切り離して同額の給与引下げを行うことを提案しました。現状においては、野党側の主張が適切なのではないでしょうか。公務員についても賃金等の労働条件は、労使間の交渉で決定されるのが本来の筋であり、将来的には基本権の制約をできるだけ少なくするべきだとは考えます。しかし、現状では労使交渉の仕組みも整っていませんし、公務員制度全般について多様な論点があるのは明白です。そのような状況にも関わらず、頑なに”抱き合わせ”に固執する内閣・与党の姿勢には疑問を感じます。

 

2011年12月13日 (通算424号)