定量的な手法を基に財政論議を深めるべき

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北朝鮮情勢を注視すべき

北朝鮮キム・ジョンイル総書記急死のニュースが飛込んできました。内部の情報が極端に少ない国だけにさまざまな憶測が広がっています。軍を含めた権力継承の過程での国内の混乱や対外的に強硬姿勢を誇示する危険性も指摘されています。民主党政権の外交・安全保障の対応力には疑問も多く、緊張した事態に対して率直に言って不安を感じます。内閣として、情報収集等に全力をあげるとともに、不測の事態に備えて万全の対応を行うことを求めます。

 

財政の基本ポリシーが迷走つづき

民主党政権の財政に関する基本ポリシーがさっぱり判りません。”マニフェスト”に掲げた財政拡大路線は一応は転換したようですが、未だに高所得者への子ども手当の上乗せ支給や一律的な農家所得保障の継続を持ち出すなど迷走がつづいています。「コンクリートから人へ」を合言葉に公共投資を抑制してきましたが、ここにきて整備新幹線未着工区間や八ツ場ダムなど効果を十分検証しないままに事業再開を決定しています。人件費の削減についても、具体的な取組みが見えてきません。

 

社会保障と税の一体改革も結論先送り

「社会保障と税に一体改革」の議論も未だに中途半端です。年金・医療・介護などの社会保障の給付抑制について議論は行われたものの、結論はほとんど先送りになっています。自公政権の支出増加抑制の努力をことごとく批判して覆してきたことからすれば当然の結果かもしれません。しかし、これでは将来にわたる社会保障サービスの水準やそのために必要な経費が皆目わかりません。このままでは、際限のない支出増加になりかねません。支出の抑制・削減は”痛み”がともなう困難な作業であることは理解しますが、それを実行しなければならないのが政権与党としての責任です。

 

際限なき重税路線に歯止めを

今の内閣・与党のやり方では、早晩財源が不足して更なる負担増を求めることになります。際限なき重税路線に未然に歯止めをかける必要があります。本来の手順ではありませんが、収入額を決めた上でその範囲内で支出額を逆算する「入るを量りて出づるを制す」方式も一案かもしれません。いずれにしても、今のような情緒的、定性的な論議だけではコンセンサスを形成するのは困難です。具体的な数値を入れた定量的なシミュレーションを基に、多角的な議論を深めることが重要だと考えます。先ずは、議論の手始めに、政権を担っている内閣・与党に原案を提示する責任があるのは当然です。

 

負担軽減のためには経済成長が必要

実質的に負担を極力抑えていくためには、安定した経済成長を達成することが重要です。経済が成長すれば、税収増も期待できるし、実質的な支出抑制も比較的容易にできます。早急にデフレを脱却し、年率3%超の名目成長率を達成することを目標とした財政・金融政策の戦略が必要だと考えます。民主党政権は、残念ながら経済成長政策に無関心であり、見識が足りないのではないかと感じます。

 

2011年12月20日 (通算425号)