今週の一言(6月28日)社会保障・税一体改革の本格的な議論はこれからが本番

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もはや民主には政権政党の資格なし!

いわゆる“社会保障と税の一体改革”関連法案が与野党三党合意に基づき修正の上で可決されました。マスコミや学者等では、“決められない政治”を脱却して、とりあえず与野党間で合意に達したことについて評価する意見が多いようです。

しかし、肝心の民主党からは歴代党首を含めて大量の造反者が出るという体たらくです。党首が「政治生命をかける」と言明しているにも関わらず党内の意見集約ができないようでは、もはや政権政党の資格がありません。野田総理は潔く退陣を表明し、解散総選挙を行って国民の信を問うのが民主主義の原則だと思います。

 

総選挙後に議論を深め、具体的な施策の決定を

法案は可決されたものの、今後の①社会保障の給付・サービスの水準、②財政健全化計画、③経済再生の道筋等々、肝心な部分は具体的には何も決まってはいません。また、所得逆進性対策など消費税の制度設計の課題も先送りされています。社会保障・税一体改革の本格的な議論はこれからがスタートです。総選挙で示される民意を踏まえて、速やかに党派を超えて真摯な議論をはじめて、増税実施前までに具体的な施策を決定していく必要があります。

 

歳入・歳出両面からの財政健全化計画が必要

民主党政権下で、支出は無節操に拡大する一方で自公政権下での支出の伸びを抑制する取組みのほとんどが逆戻りしています。今のように財政規律が失われたままでは、増税しても遠からず財源不足に陥って、更なる負担が求められることになります。際限のない増税路線に歯止めをかけるためには、歳入・歳出両面からの長期的な財政健全化計画を確立する必要があります。その際には、社会保障分野についても必要な施策を拡充する一方で支出総額の伸びを抑制するためメリハリの利いた内容とするべきです。

 

逆進性対策として複数税率導入を提案

消費税の制度設計において重要な部分である“所得逆進性対策”についての考えを述べます。私は、従来から食料品などの生活費需品に低い税率を適用する“複数税率”方式の導入を提案しています。低所得者に一定額を還付する“給付”方式も考えられますが、①正確な所得把握に不透明感がある、②限定された世帯を対象とした還付では不公平感がつきまとう、③所得・物価水準の地域間格差や家族構成等による消費性向の違いが反映されにくいといった問題があります。制度運用の透明性や負担の公平感を考えた時に、欧米諸国で広く採用されている“複数税率”の方がメリットが多いと考えます。