今週の一言(7月26日)空洞化防止・雇用拡大の抜本対策が急務

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製造設備の海外移転で進む“空洞化”

 先日の新聞で、製造業主要30社の生産設備の国内外比率についての調査結果が報じられていました。8割超の企業がこの一年間で海外の工場や機械などの有形固定資産を増やしており、2割の企業では海外の比率が5割を上回っています。(725日付日経新聞)

国内市場が伸び悩む中で、多くの企業が成長率の高い新興国などにビジネスの重心を移しています。異常な円高がつづき輸出競争力が低下している中で、消費地に近く生産コストの比較的低い海外に設備を移転させているのがわかります。

 

中小企業・雇用を守る対策が急務

 企業が海外展開を進めるのは経営判断としては当然のことではあります。しかし、こうした“空洞化”が更に進めば、国内の関連中小企業の存続が脅かされ、雇用に重大な影響が及ぶのは避けられません。政府として抜本的な対策を講じることが急務となっています。

 

内閣・日銀が協調して異常な円高の修正に取組め

 最優先で取組まなければならないのは、内閣と日銀の協調による異常な円高の修正です。日銀がこれまでの金融緩和策を一歩進めるとともに、継続していくという強いメッセージを重ねて発出していくべきです。一方、内閣は効果的かつ積極的な財政政策によって国内の需要創出に努めるべきです。

 

国内のビジネス環境整備による雇用拡大を

 中長期的には、組立工程や汎用部品製造の流出傾向は避けらず、従来と同じような製造業を国内に留めるのは困難です。そうした中で、国内でのビジネス環境を整え、質の高い雇用を産み出していく必要があります。高度な技術力を生かして、研究開発拠点や基幹的部品等の生産拠点の国内立地を推進するべきです。また、海外で稼いだ利益の還流を促す投資機会の創出や海外企業の直接投資の受入れ促進策も重要です。一定の要件を付けた上で、雇用施策の規制緩和、税・社会保険料負担の軽減などの政策も検討していく必要があります。

 

地方の自主性を引出す“特区”の積極的な活用を

 思い切った規制緩和や税制措置などの立地施策は国全体で導入しようとすると、さまざまな困難がともなう場合も多くあります。地方自治体が、地域の実情に基づいて、自主性を発揮した大胆な施策を打出すことを可能にするため、“特区”制度の拡充と積極的な活用が有効だと思います。その地域だけでなく、結果的に国全体の成長力強化と雇用拡大に貢献するものと期待しています。