今週の一言(8月30日)消費増税実施までにやらなければいけないこと(その2:経済立て直し)

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増税実施までやるべきことを実行するのが政治の責任

 「社会保障・税一体改革関連法」は成立したものの、20144月の消費税率引上げ時までやらなければならないことは山ほどあります。先々週は主な項目を紹介し、先週はその中でも最も重要な社会保障制度の全体構想を策定する必要性についての考えを述べました。法律が成立した今、増税実施までに、やるべきことをキチンと実行していくのが政治の責任です。

民主党政権は、増税は不要だと強弁してきたためにこれまでの手順がデタラメそのものです。その上、今後やるべきこととその段取りも判然としていません。

 

消費増税は景気を減速させる

 増税実施までのもう一つの重要な柱が経済の立て直しです。消費増税によって可処分所得が減り、少なくとも一定期間は景気・雇用へのマイナスは避けられません。一部の官僚・学者は、増税によって社会保障や財政に対する将来不安が軽減され、景気にプラスに作用するという「非ケインズ効果」を主張していますが、本当に期待できるのかは確かではありません。少なくとも短期的にそうした効果が現れるものでありません。

 

経済成長目標の達成は不可能ではない!

 「一体改革法」の附則では、増税実施までにGDP成長率実質2%、名目3%の達成をめざすとしています。足下の成長率は実質1.4%、名目▲0.6%(20124-6月期の年率換算)です。震災復興需要に下支えされている上に、世界経済が減速傾向にあることを考えれば、ハードルは相当高いと言わざるを得ません。ただし、世界金融危機発生までの自公政権下での実質成長率が平均1.9%(2002-08年)であったことを考えれば、適切な財政・金融政策をとれば、デフレを反転させることができ、目標達成は決して不可能とは考えません。

また、増税したとしても中長期的に経済成長が停滞すれば、将来の税収が伸びずに、財政の健全化また、増税したとしても中長期的に経済成長が停滞すれば、税収が減少して財政の健全化は達成できません。

 

財政・金融政策を総動員して対応を

 したがって、2014年までの短期的には景気下支えとデフレ脱却を目標に、一層の金融緩和と効果的な財政出動を内閣と日銀が協調して実施していく必要があります。また、中長期的には日本経済の成長力を高めるための構造政策などが重要です。

 民主党政権の財政・金融政策は“場当たり的”で、短期的にも中長期的にもビジョンがありません。このまま増税を実施すれば、日本経済は本当に深刻な事態に陥りかねません。政策を総動員して経済立て直しに全力をあげることを求めます。