今週の一言(11月2日)野田内閣の経済政策への無関心ぶりが心配

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総理の所信表明演説に失望

 29日にようやく臨時国会が開会し、野田総理の所信表明演説等が行われました。多様なトピックに言及はしているものの、いずれも具体性が乏しく、中身がないとの印象を受けました。特に、現下の景気後退への対策や中長期的な経済再生の方策については、具体的な内容が皆無に等しく、失望を禁じ得ません。先般の内閣改造等における経済政策チームのお粗末さといい、野田総理の経済問題に対する関心の薄さには強い懸念を覚えます。

 

世界経済後退への危機感が欠けている!

 世界的に景気・雇用の後退が深刻になり、経済問題が国際社会での最大の政治課題となっています。世界中の指導者が恐慌に陥るのを回避するため躍起になっている時に、野田総理の危機感の欠如には呆れるばかりです。

 日本銀行は30日に、資産買入基金を増額する追加金融緩和策を決定しました。これまでの金融政策は即応性に欠け、不十分ではありましたが、今回の決定は一定の評価に値するものと考えています。しかし、金融緩和だけでは需要を拡大することは困難であり、それと協調して効果的な財政出動も行うべきです。26日に内閣が「経済対策」を取りまとめましたが、規模も内容も中途半端で、即効性に欠けるもので期待が持てません。

 もはや、民主党政権では、当面の景気対策も中長期的な経済再生も全然期待できないのは明白です。

 

上田が提案する短期的な景気・雇用対策

短期的な景気・雇用対策として、以下の2点を提案します、

(1)  2013年からの所得・法人税増税(いわゆる“復興増税”)の執行を凍結するべきです。2014年度から消費税が引上げられることを考慮すれば、矢継ぎ早の増税は不適切です。

(2)  速やかかに総選挙を実施して、新政権で2012年度の補正予算と2013年度予算の編成を同時に行い、切れ目のない財政運営を行うべきです。不要不急の歳出を削る一方で、緊急性・即効性の高い都市インフラの点検・補修などを前倒しして実施するべきです。

 

経済再生ビジョンの発想転換を

 また、中長期的な日本経済再生のためのビジョンを早急に取りまとめるべきです。中央官庁が成長期待分野を特定し、補助金等を支給する従来型の発想を転換して、民間や地方の創意工夫が発揮されるよう、税制改正や規制改革など経済活動がしやすい環境の整備に重点を置くべきです。また、世界とともに成長する日本経済をめざして、双方向の貿易・投資を拡大させる視点が重用だと考えます