今週の一言(5月2日)憲法改正問題について考える(その2)

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最優先課題は日本経済再生!

 53日は「憲法記念日」です。政党やマスコミでは、憲法改正をめぐる議論が盛上っています。先週も記述したとおり平成18年から、衆参両院に憲法審査会が設置され、さまざまな角度から議論が行われ、論点もかなり明確になってきました。その意味から、憲法改正の内容や手続きについて議論を進めていくのは当然のことです。

 他方、憲法改正問題が今最優先で取組むべき課題だとは考えません。安倍政権は、日本経済の再生を最優先課題と位置付けて、金融・財政政策を実行してきました。徐々に成果が表れて、明るさが戻ってきてはいますが、まだまだ途半ばだと認識しています。今は、中長期的な経済成長を達成するための“成長戦略”の策定、実行に総力を挙げるべき時だと思います。

 

改憲要件の厳しさが問題なのか?

 憲法改正手続きを定めた第96条の改正問題に関心が高まっています。先述のとおり、諸外国の憲法改正要件も、議会の過半数で決せられる通常の法律よりも厳しくなっている事例がほとんどです。ところが、諸外国においては度々改正が行われています。日本で一回の改正が発議されなかったのは、改正要件が問題というよりも、改正の緊要性がなかったことや議論を通じて合意形成する政治的成熟度が不足していたことに起因しているのではないかと考えます。憲法問題を真正面から議論する政治的環境が熟してきたと受止めています。改正内容と手続きについて議論して、合意を形成していくべきです。

 

国民の自由・権利の制約には賛同しない

 憲法改正論議は、第9条問題にだけ関心が集まりがちです。しかし、各界から提起されている憲法改正案を見ると、第3章国民の権利及び義務や第4章~第8章の統治機構に関する条項の見直しも含まれています。憲法は本来、国民の自由や権利を守ることを主な目的とするものです。改正案の中には、憲法が保障する、思想・信教・集会・結社・表現等の自由に制約を加えるようとするものもあるようですが、賛同できません。一方、国会・内閣等の統治機構については、時代の変遷に適合しなくなっている部分もあり、見直すべきだと考えます。