今週の一言(9月7日)消費税引上げは総理の政治決断を尊重

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有識者ヒアリングの実施を評価

先月末から約一週間にわたり、安倍総理は60名の有識者、経済界の代表等から、来年4月に予定されている消費税率引上げの是非に関するヒアリングを行いました。一部マスコミなどは“パフォーマンス”と批判していますが、重大な決断に当たって慎重に検討することは、正しい手法だと評価します。7割が引上げに賛成の意見を開陳しましたが、実施時期や方法にさまざまな注文があったほか、増税の影響を緩和する景気対策の実施を望む声も多くありました。

 

 

総理の政治決断を尊重してサポートする

現時点で、消費増税を決断することは、メリット・デメリットの両方があり、難しい政治判断です。有識者の意見が多様であったのも頷けます。足もとの経済指標を見てみると、安倍総理は、10月はじめに最終決断する意向を明らかにしています。私の考えは、以前から述べているとおり、

①来年4月から引上げるという三党合意が景気動向等を考慮すればそもそも時期尚早であったものの、

②先送りすれば社会保障制度や財政への内外の信認が損なわれ、金利上昇等のリスクが大きすぎるため、

③この期に及んでは予定通り実施するしかないが、

④来年の春から秋にかけての景気の失速を防ぐ対策を同時に実行するべきだというものです。いずれにしても、きわめて難しい政治決断であり、安倍総理の判断を尊重し、サポートしていくしかないと決心しています。

 

 

景気対策のパッケージを早急に打出すべき!

 消費税が引上げられれば可処分所得が減少し、消費や投資にマイナスの影響があるのは当然です。景気は回復基調であるものの、国民の所得が横ばいにとどまっていることを考えれば、一気にマインドが冷えこんで、かなり深刻な事態を招く危険性があります。加えて、“駆込み”とその後の“反動”があり、「成長戦略」の政策効果が十分に現出するまでにはまだかなり期間を要することを考えると、特に4月~6月期の景気動向が心配です。

そのため、低・中堅所得者の可処分所得の減少を補てんする対策や設備投資等の需要を喚起する施策などの政策パッケージを早急に取りまとめて、打出すべきです。効果の発現に時間を要する公共投資などよりは即効性に高い減税策などを中心にするのが妥当と考えます。例えば、①需要を喚起する大規模な設備投資減税の実行、②消費減退による中小企業等の経営悪化を防ぐ政策金融の拡充、③低所得者の負担増に相当する一時的な給付等の実施、④時限的な所得税・住民税の減税など中堅所得者の所得補てん策等々の政策が適切だと考えます。