今週の一言(10月7日)大災害に備えて老朽インフラの総点検を

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高速道路跨道橋の未点検が判明

 報道によると、会計検査院が全国の高速道路を跨ぐ道路橋約4,500か所の管理状況を調べた結果、635の橋で一度も点検が行われておらず、548の橋で点検の記録等が残されていないことが判明しました。さらに、耐震基準が強化された1980年以前に建設された約2,500の橋のうち、1,500近くの橋では耐震補強などが検討されていないことも明らかになりました。これら跨道橋は、旧道路公団などが建設し、完成後は市町村等に管理移管したものですが、人員や予算の制約のため、点検等が疎かになっていたのでしょう。

 大規模地震の発生時には高速道上に崩落する危険性があり大惨事を招きかねません。また、救助・救援活動のための緊急車両の通行を妨げ、二次災害の拡大につながる懸念もあります。

 

避難経路や緊急車両の通行ルートの安全性確保が必要

 高速道跨道橋に限らず、多くの幹線道路等の橋りょうはかなり老朽化しているのもかかわらず、点検が十分には行われていないのが実情です。

 また、幹線道路下の上下水道管なども整備後相当な年数が経過していることから、漏水等が原因で地下に多くの空洞ができてしまっていることも指摘されています。大地震発生時には、液状化現象がおきて、路面が陥没する危険性があります。

 大震災の発生に備えて、安全な避難経路や緊急車両等の通行ルートを確保していくことが被害の拡大を防ぐ上で不可欠です。そのためには、幹線のほか警察・消防・医療施設などのアクセス道路について点検を行い、安全性の確認を行っておく必要があります。

 

早めの点検・早めの補修を

 私は、5~6年前から都市インフラの老朽化問題の深刻さを指摘し、総点検の必要性を訴えてきました。また、これまで整備してきた膨大なストックを、「早めの点検、早めの補修」によって長持ちさせることは、結果的に管理や更新を含めた総事業費の抑制につながります。国土交通省等では数年前から、橋りょう・トンネル等の“長寿命化”事業を推進しています。与党が提出している「防災・減災のための国土強靭化法案」は、こうした取組みを加速化させるものであり、次期国会での成立をめざしてまいります。

 

優先度の明確化と効率的な補修

 財政がきわめて厳しいときに、公共事業費を大幅に増額することは適切でありません。早急に総点検を実施し、優先度の高いルートから着手して、できるだけ広い範囲で簡便な補修・改修を行っていくことが重要だと考えます。限定された大規模プロジェクトに“集中投下”するよりも、最低限の安全性を確保するための事業を“広く・浅く”実施していく方が効果的であり、効率的です。