今週の一言(3月28日)未来の日本の労働力不足問題にいかに対応するか

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人口減少社会の経済社会の展望

 日本は、人口減少社会に突入しました。これは、①国内市場の縮小、②労働力の減少、③資本蓄積の低減を意味し、未来の日本の成長を阻害する最大の課題です。このままでは日本の経済社会は衰退の道をたどることになります。政府では、経済財政諮問会議に「選択する未来」委員会を設置して、長期的な展望に立って、未来の日本の豊かさを維持・向上させるため実施していかなければならない政策について検討をはじめました。

(詳しくは、http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/

をご参照ください)

 党内では、私が本部長に就いた経済再生推進本部において、政府の議論も踏まえて、検討に着手しました。未来の日本の経済社会のビジョンについて、責任をもって議論し、ビジョンを提示していくことは政治に求められている重要な使命です。

 

労働力不足解決には女性と高齢者の活用がカギ

 長期的な経済成長の可能性を示す潜在成長率を決定する三要素は、①労働力、②資金・設備等の資本、③全要素生産性です。

 今回は、労働力の減少をどのように食止めるかについて述べます。内閣府の資料では、労働力人口は現在のトレンドがつづけば2013年の6,577万人から2030年には5,683万人、2060年には3,795万人にまで減少すると推計しています。出生率を回復することが最も重要ですが、労働力人口回復につながるまでには相当の期間が必要です。既婚・子育て中の女性の就労促進と元気な高齢者の活用が問題を緩和するカギだと考えます。政策効果が十分に発現し、①出生率が2.07まで回復し、②女性がスウェーデン並み(3049歳の労働力率71%⇒90%)に働き、③高齢者が平均して5年長く働けば、2060年の労働力人口は5,400万人程度確保できると推計されています。

 

女性・高齢者が意欲をもって就労できる環境整備が必要

 女性の労働力率を向上していくためには、これまで実施してきた保育・放課後児童クラブ事業をさらに拡大するとともに、多様なニーズにあったサービス提供が必要です。また、意欲を持って長く仕事をつづけるためには意欲を引出すことが重要です。官庁・企業で女性を重要ポストに積極的に登用するとともに、ITや各種機器を活用することによって“体力”に依存しない仕事のやり方に変えていく必要があります。また、高齢者には、蓄積した経験・技能が発揮できる仕事のやり方、労働時間の柔軟化、就労するインセンティブを高める年金等の社会保障制度と言った政策を実行していく必要があります。

 

外国人労働力をどのように活用するかも検討するべき

 女性・高齢者にフルに活躍してもらってもなお労働力不足は解消できません。特に、建設関連、医療・介護などいくつかの分野では深刻な事態が予想されます。アジア諸国など海外には豊富な若い労働力があり、仕事が足りないのが実情です。こうした海外の人材を適切に活用するための方策も真剣に議論する必要があります。現在、建設分野等での技能研修制度の拡充が検討されていますが、“急場しのぎ”の感は否めません。外国人労働者の受入れは、日本のこれまでの雇用・社会・文化のあり方を大きく転換することであり、慎重に検討しなければなりませんが、もはや避けて通ることのできない課題だと考えます。