今週の一言(5月16日)“休眠預金”の有効活用で草の根公益事業を支援

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毎年500億円の休眠預金が発生

 “休眠預金”とは、銀行等の預金で10年間まったく入出金のないものをさします。こうした預金が毎年約1,300万口座、約850億円発生しています。銀行等ではさまざまな広報を行うとともに、10年経過した時点で残高1万円以上の預金については個別に郵便等で通知しており、結果的に約75万口座、約350億円は払い戻されます。その他は、通知が宛先不明等の理由で返送されるなどその時点での住所・氏名がわからないために、所有者が判明しません。こうして発生する約500億円は、銀行等が利益金として計上されています。ただし、現在はその後預金者から請求があれば、払戻しを行っているものの、実際にはほとんどないとのことです。

 

休眠預金の有効利用を検討

 先般、私を含む超党派の議員で「休眠預金活用推進議員連盟」を発足し、資金を公益的な目的で有効に活用できないか検討に着手しました。

 こうした“休眠預金”は諸外国でも、日本に比べて少額ではありますが発生します。その取扱いは様々です。アメリカ(ニューヨーク州等)・カナダ・フランスでは、国・州政府等や中央銀行の収入として納められます。イギリスや韓国では公益団体に移管した後に、社会事業や福祉事業に支出されています。

 議員連盟では、資金を社会政策の観点から有用であるにも関わらず、地域で福祉・教育の“草の根”的な活動など国・地方公共団体として予算措置できない分野への財政支援に充当できる仕組みをつくりたいと考えています。

 

制度設計の基本的な考え方

 詳細な制度設計については今後検討していきますが、以下に私案を述べます。①預金者からの払戻し請求には応じること、②法的措置の基づき公的機関(例えば預金保険機構に特別口座を設ける等)によって管理されることが前提であると考えています。また、資金の使途は、福祉・教育・就労支援など公益目的の事業であり、補助金等の対象とならない活動であるのが妥当です。支出の是非や金額の決定は行政から独立した公益団体が行い、そこには事業を実施する団体等の代表者も参画する仕組みとするべきです。また、支援先が小規模であることから、手続き等は極力簡素にして、事務負担を最小にすることが重要です。また、資金の管理についてもコストを極力抑制する仕組みとするべきです。したがって、支援先団体等の所有権を保有する出資や返済等の事務量が大きくなる貸付よりは、年度ごとの“寄付金”的な性格が適当ではないかと考えます。