今週の一言(7月18日)軽減税率制度導入の意義と課題

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与党税協でヒアリングを実施

 3日間にわたり与党税制協議会で、消費税の軽減税率制度に関する業界団体等から意見を伺いました。先般、与党税制協議会ではこれまでの検討結果を踏まえて、食料品等の軽減税率の提供範囲について8パターン、税率ごとの区分経理の手法として4パターンの案を公表しましたが、それについて検討を依頼していました。

http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/zeicho/2014/__

icsFiles/afieldfile/2014/06/12/26zen9kai4.pdf

 8日には日本経済団体連合会、日本税理士会等、全国法人会等の税務協力団体、日本労働組合総連合会、全国消費者団体連絡会など消費者関係団体など11者から、9日には全国農業協同組合中央会等農業・水産・食品関係団体、酒類業中央団体連絡協議会など15者から、15日には日本百貨店協会・日本スーパーマーケット協会等小売関係団体、中古品関係団体など9者から意見を伺いました。今後、医療関係、中小企業関係、新聞・出版関係団体や地方自治体から意見を伺う予定です。

 

団体の多くは事務負担が増えるため複数税率制度に慎重

 農業・水産・食品関係団体の多くは生活必需品である食料品について軽減税率を適用するべきとの意見でした。ただし、適用区分の“線引き”は混乱が生じないようにわかりやすくするべきであること、区分経理にともない事務負担が極力増えないようにしてほしいとの要望がありました。その他の団体は、①税率ごとの区分経理にともなう事務負担、②逆進性対策は低所得者に対する給付で対応するべき、③社会保障の安定財源が減ることなどを理由に、少なくとも税率10%段階での軽減税率制度導入には慎重な立場を述べていました。

 

軽減税率制度導入の意義

 私は、かねてから食料品等には軽減税率を適用するべきだと主張してきました。私が考える、軽減税率制度を導入の意義は、以下の通りです、

①逆進性対策:低中堅所得世帯、特に消費性向の高い子育て世帯などの負担を軽減する。給付措置ではごく限られた所得層しか対象とならず、それ以外の負担軽減とならない。

②納得感:消費する度に各自の選択が可能なことから消費者の納得が得られやすい。行政機関が限定された世帯に給付すると不透明感、不公平感が払しょくできない。

③効率性:事業者が税率ごとの区分経理を必要とするため導入時には事務負担が生じるが、定着すればそれほど過大ではない。他方、給付措置の実施には相当大きな行政コストがかかり、恒久措置としては効率性に問題がある。

 

幅広い意見を聞いて適切な制度設計

 今後、納税事務を担う事業者と最終的に負担する消費者の意見を伺いながら、適切な制度設計に取組んでいくつもりです。簡素でわかりやすく、事務負担を極力抑えた制度にするため、与党税制協議会で引きつづき議論を深めてまいります。ただし、適用品目について、どこかで“線引き”しなければならず、多少不合理に感じるい面は避けられませんが、その点はご理解いただかなければなりません。