今週の一言(10月24日)オールジャパンで拉致問題の早期解決に取組むとき

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日朝協議が難航

 5月の日朝合意を受けて拉致問題解決に向けての前進が期待されたものの、その後の進捗は残念ながら滞っています。7月の北京会合では北朝鮮側から、特別な権限を持った「特別調査委員会」を設置したことが報告されました。わが国として、こうした対応に一定の評価を与え、国連決議に基づく制裁措置に加えて独自に実施してきた措置の一部を解除しました。しかし、929日の瀋陽会合でも、それまでの合意に反して、具体的な調査結果は示されませんでした。

 

ピョンヤンでの政府間協議を決定

 内閣では、北朝鮮の提案を踏まえて、今月27日から「特別調査委員会」と直接交渉するために政府職員を派遣することを決定しました。協議継続に対しては拉致被害者家族会はじめ各方面から、①北朝鮮ペースの交渉になっている、誠意ある対応が期待できない、②遺骨返還・墓参、残留日本人・日本人配偶者問題だけが進展して、拉致問題が先送りされる、③少しずつ制裁措置の解除を求められて、交渉カードが弱くなる等の理由で慎重な意見も多くあります。

 20日に総理官邸で開かれた「政府・与野党連絡協議会」では、派遣の是非について協議しました。野党からは、賛否両論が述べられました。私は、拉致問題抜きに日朝合意はあり得ないとした上で、「さまざま意見があることは承知しているが、これまで拉致問題に最も熱心に取り組んできた安倍総理と山谷大臣の判断を信頼する」と述べました。

 

オールジャパンで問題解決に取組む

 “国家犯罪”で多くの日本人が被害にあっており、事件を全面解決していくことは国の責務です。これまで、何度も翻弄されてきたように、北朝鮮は信用できない、“手強い”交渉相手です。これまで政府・国会が一致して圧力を強化してきた成果が徐々に表れているものと考えます。外務省だけでなく警察等も含めた全省庁が一致して、国会も全面的にバックアップしていく姿勢が重要です。そのためには、国民の支持が不可欠であり、“オールジャパン”の体制を構築していくことが必要です。

 

北朝鮮は拉致以外にも問題だらけ

 北朝鮮には、核兵器・ミサイル解決問題もあり、絶対に妥協できません。「5か国協議」など国際社会が一致して対処しなければなりません。

 また、日朝間でも、政府が認定されている拉致被害者(未帰国者8名)のほか、拉致された可能性が排除できない者(特定失踪者・883名)の問題が存在します。また、日本人遺骨(2万柱超)、残留日本人(推定1,440名)、日本人配偶者(推定1,800名)などの解決しなければならない問題は数えきれません。いずれも重要な外交課題であり、政府が粘り強く解決に取組んでいかなければなりません。