【いさむの一言(2月16日)】格差・貧困の改善に再分配の強化が必要

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格差問題への関心が高まる

 今日、所得格差が拡大していることへの懸念が強まっています。先月末に公表された共同通信の調査では、「日本社会で貧富の格差が広がっていると思う」との回答が77%となっています。また、先日来日したフランスの経済学者トマ・ピケティー教授の格差問題に関する研究に大きな関心が集っています。

 

格差は拡大しているのか?

 内閣でも、“格差問題”の重大性を認識しており、今月12日の「経済財政諮問会議」でも取り上げています。厚生労働省の調査では、この10年余の間、当初所得の格差は拡大しているものの、税・社会保障による所得再分配後の格差はほとんど変化していません。ただし、39歳以下の若者世代については、若干拡大傾向があり、これは非正規労働者の割合が高まっていることに起因すると考えられます。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/

0000024829.html)他方、所得格差が拡大していると指摘する専門家も多くいます。

 他方、世帯の可処分所得が中央値の半分以下の相対的貧困世帯の割合は増加しており、“貧困問題”は見過ごせない状態です。内閣・与党としても、“貧困問題”への適切な対処が求められています。

 

経済成長と所得再分配の両立必要

 富のパイを拡大する経済成長と増えた富を公正に分ける所得再分配政策を両立させていく必要があります。経済成長率が高まると全体としては豊かになるものの、格差は拡大する傾向があります。

 経済成長率を高めるためには、内閣・与党として推進している“三本の矢”の政策を強力・迅速に進めていくことが重要です。あわせて、税や社会保障を通じた再分配も強化する必要があります。また、“格差の固定化”や“貧困の連鎖”を防ぐためには、所得の高低に関わらず教育の機会を拡大していくことが重要です。

 

所得再分配を強化の取組み

 これまでも、①所得税の給与所得控除上限額の設定・引上げなど高所得者の負担増加、②相続税の基礎控除額に引下げ、③低所得世帯の国民健康保険・長寿医療制度、介護保険の保険料の軽減措置の拡充、④奨学金制度の質・量の拡充などの施策を行ってきました。今後、税・社会保険料を含むさまざまな施策において所得の再分配機能を強化し、“格差”、“貧困”問題の改善に努めていく必要があります。