【いさむの一言(6月1日)】建設的な安全保障政策の議論を期待

42

 

平和・安全特別委員会での審議がスタート

 先週は、衆議院に設置された「我が国と国際社会の平和安全法制に関する特別委員会」での「平和安全2法案」の質疑がはじまりました。今後の通常国会で最も関心の高い議案です。

 2013~14年には、与党安全保障プロジェクト・チームの座長代理として「国家安全保障戦略」の策定、「防衛大綱」の改訂などに取組んできました。また、昨年5月からは安全保障法制与党協議会のメンバーとして、法案作成に直接関わってきました。こうした経緯から今回は特別委員会には所属していませんが、法案審議の経過は注視しています。

 

安全保障環境の変化にいかに対応するのか

 北朝鮮・中国の動向など日本を取巻く国際情勢が近年大きく変化していることは間違いありません。これに的確に対応して、日本の平和と安全を守るためには、①近隣諸国との関係改善と信頼醸成、②東南アジア・オーストラリア・インド等との安全保障・経済・文化等の広範な分野での関係強化、③適切な防衛力整備と日米同盟強化による“抑止力”の維持・向上、④国連等の活動への協力や経済協力等を通じた国際社会の安定の確保、等々多角的な取組が必要とされています。現在、議論されている安全保障法制整備は主としてこの中の“抑止力”を向上させるために必要なものです。

 

野党の質疑には外交・安保政策ビジョンが欠如

 民主や維新など野党の国会質問を聞いていると、安全保障環境の変化についての認識は内閣・与党と共通し、適切な対応が求められているとの問題意識は共有しているものと思われます。しかし、外交・安全保障政策の基本的な考え方がほとんど示されていません。議論の多くは、法文の細かな解釈に費やされています。精緻な審議が重要であることは当然ですが、政策の大きなビジョンに関する議論が欠けているため、立場や主張がわかりづらくなっているのではないでしょうか。今後の日本の外交・安全保障政策がどうあるべきかという建設的な議論を期待しています。

 

平和主義と国際協調主義が基本

 日本の外交安全保障政策の基本はこれからも“平和主義”と“国際協調主義”です。具体的には、①国連等の国際機関や国際法・ルールの尊重、②武力行使は自国防衛のための必要最小限にとどめる、③他国に脅威となる軍備増強はしないことだと考えています。