【いさむの一言(6月8日)】経済・雇用の構造変化に対応した労働法制の改正

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労働者派遣法・労働基準法の改正法案が提出される

 現在の通常国会には、「労働者派遣法等改正案」と「労働基準法等改正案」の労働二法案が提出されています。いずれの法案も、近年のわが国の経済構造の変化にともなう雇用環境の多様化に的確に対応することによって、①経済の成長力の上昇、②雇用の拡大と安定、③労働条件の改善と労働者の権利保護をめざしたものです。法案の概要については、厚生労働省のホームページをご参照ください。

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/

gaiyou_2.pdf#search=’%E5%8A%B4%E5%83%8D%E8%80%85%E6%B4%BE%E9%81%A3%E6%B3%95%E6%94%B9%E6%AD%A3%E6%A1%88+%E6%A6%82%E8%A6%81

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/

houritu/dl/189-41.pdf#search=’%E5%8A%B4%E5%83%8D%E5%9F%BA%E6%BA%96%E6%B3%95%E6%94%B9%E6%AD%A3%E6%A1%88+%E6%A6%82%E8%A6%81

 これまで、厚生労働省の労働政策審議会などで、経営者・労働者の代表や学識経験者によるさまざまな検討を経て、見直しの内容がまとめられました。改正法案については、賛否両論を含めて多くの意見がありますが、バランスのとれた内容となっていると考えます。

 

派遣法改正:多様な選択の確保と待遇改善が目的

 現在審議が行われている「派遣法改正案」は、派遣労働者で正社員を希望する者にはその道を開く一方で、引続いて派遣労働を希望する者には待遇改善や雇用安定を進める内容になっています。現行制度ではソフトウエア開発や通訳・翻訳などの専門26業種については派遣期間の上限を設けず、それ以外の業種では3年を上限としていましたが、一律に原則3年を上限とするなどの改正を行います。派遣先企業が引続き雇用したい場合には、正社員として契約することとなります。派遣労働の固定化を防ぐことを目的としています。また、派遣元事業者による教育訓練やキャリア・コンサルティングも義務付けています。

 

全ての派遣事業者を許可制に

 また、これまで派遣元事業者の中には労働者の権利保護の観点で問題のある事案もあったことから、現在は条件によって許可制と届出制の両方に分かれていますが、その区分をなくして全て許可制にします。

 このように今回の改正は、雇用情勢の変化に対応して、実情に合わせて規制の強化と緩和を同時に行うものです。一部に「派遣の固定化」や「派遣切り」との批判がありますが、制度改正の一部分のみを取上げたものです。