【いさむの一言(6月15日)】長時間労働を抑制する労働基準法の見直しが必要

56

労働者派遣法改正案の審議をめぐり国会が混乱 

 

先週は「労働者派遣法改正案」の審議方法をめぐり一部野党が強く反発し、厚生労働委員会が大荒れでした。この法案は昨年の通常国会に提出されたものですが、野党や労働組合の主張にも配慮して結論が持ち越されてきました。その間十分な時間をかけて質疑等を行ってきました。強い反対意見があるのは事実ですが、立場によってその理由はまちまちであり、そうした多様な考え方のバランスをとった改正となっています。これ以上議論を続けても違いを埋めて、合意を形成することは困難だと感じます。内閣・与党としては、いつまでも結論を先送りするのは無責任であるので早期に採決するよう要請していますが、理解が得られなかったのは残念です。できるだけ早期に成立させるよう努めてまいります。

 

 

 

労働基準法改正は長時間労働抑制をめざすもの

 

労働関連のもう一つの「労働基準法改正案」は、長時間労働の抑制をめざすとともに、創造的な能力を要する職種に関して労働時間ではなく成果で評価する新たな制度を導入するものです。非効率な長時間労働は、働く者の健康に悪影響を及ぼすだけでなく能力の発揮を妨げる恐れがあります。また、女性の活躍を制約する原因ともなりかねません。

今回の改正には、①有給休暇の確実な取得の支援、②労働時間等の設定改善についての労使の取組みの支援、③フレックスタイム・裁量労働制度の弾力化の他、月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率(50%以上)の中小企業への猶予措置を3年後に廃止することが盛込まれています。

 

詳しくは、厚生労働省のホームページをご覧下さい。

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/

soumu/houritu/dl/189-41.pdf#search=’%E5%8A%B4%E5%83%8D%E5%9F%BA%E6%BA%96%E6%B3%95%E6%94%B9%E6%AD%A3%E6%A1%88+%E6%A6%82%E8%A6%81

 

 

 

高度プロフェッショナル制度の対象は全労働者の1%程度

 

金融ディーリング、コンサルティング、研究開発等の高度な専門性を必要とする業務は労働時間よりも仕事の成果で評価するのが適切な場合が多くあります。このうち、年収が少なくとも1千万円以上の者については、時間外賃金を支給しない雇用契約を選べる「高度プロフェッショナル制度」を導入します。一部に「残業代ゼロ」との批判がありますが、条件を満たして対象となるのは、多くても全労働者の1%程度と推量されます。当初、経営者からは全労働者の10%程度が対象となる制度の導入を求める意見がありました。しかし、与党で検討した結果、従来とは異なった発想に基づくルールであり、労働者が新制度に移行するよう強要されること防ぐために、年収要件を厳しくして、対象を絞ったものです。