【いさむの一言(7月29日)】賃金上昇によって経済の好循環を実現していく

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高橋進日本総研理事長を講師に経済・財政政策について議論

 7月24日に、公明党経済再生調査会を開き、内閣経済財政諮問会議の民間議員の一人である高橋進理事長を講師に招き、連立政権における経済政策の成果及び経済再生・財政健全化の両立に向けての政策についてご意見を伺いました。特に、企業経営が改善している現在、経済の好循環を実現するためには賃金上昇がカギであると強調していました。経済の現状認識や今後実施するべき政策については、基本的に同じ考え方だと考えています。

 

四半世紀ぶりの良好なマクロ経済環境

 “アベノミクス”の金融・財政政策によって、わが国のマクロ経済環境は四半世紀ぶりの良好なパフォーマンスを示しています。国内で生産される財・サービスの価格を示すGDPデフレーターは1992年以来の明確なプラス(1.1%)となり、“デフレ脱却”もあと一歩のところまで来ています。企業収益は過去最高水準に達し、経営効率を示す各種データも大きく改善しています。また、雇用でも失業率(3.6%=18ぶり低水準)や有効求人倍率(1.09=23年ぶり高水準)が改善しています。

 

賃金上昇に政策的な後押しを検討すべき

 経済再生に向けて“好い流れ”ができているのは確実ですが、まだまだ道半ばです。金融・財政政策によって良好なマクロ経済環境を維持しながら、賃金の上昇や設備投資の拡大による好循環を実現していかなければなりません。

 雇用の需給関係がタイトになっていることから賃金が上昇していくはずです。しかし、余りにも長年にわたって“デフレ”がつづいているため、企業が依然として消極的なマインドから脱却できず、動きが鈍いのが現状です。 雇用・所得環境の改善を背景に個人消費は持ち直しの兆しはあるものの、依然として消費税率引上げ前のレベルを回復していません。物価上昇を上回るペースでの賃金上昇(実質賃金の上昇)を実現することによって消費を喚起し、好循環が生まれていきます。

 「政労使会議」を通じて企業の収益を賃金上昇に回すよう働きかけを強化するほか、①賃金引上げへの税制等のインセンティブの提供、②最低賃金の引上げといった更なる政策的な後押しを検討していくべきだと考えます。

 

成長戦略の確実な実行で生産性の改善を達成

 また、中長期的に日本経済の成長力を維持・向上させていくためには、生産性を着実に向上させていく必要があります。先般、内閣で策定した「日本再興戦略改訂2015」には、①設備投資、②人材育成、③ITの利活用、④コーポレート・ガバナンス、⑤対内直接投資など必要な政策のメニューが提示されています。政府・与党として、引きつづき日本経済の再生を最優先して、これらの政策を確実に実行してまいります。