【いさむの一言(8月31日)】日韓の有識者で新時代の関係について議論

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ソウルでの日韓フォーラムに参加

 8月27~29日にソウルで開かれた「第23回日韓フォーラム」に参加しました。同フォーラムは日本国際交流センター(JCIE)・韓国国際交流財団(KF)共催で、毎年1回両国で交互に開催され、両国の国会議員、政府経験者、学者、経済人、マスコミらが参加して、政治・経済・相互交流など幅広い分野に関して自由にディスカッションを行うものです。日本側議長は茂木友三郎キッコーマン㈱名誉会長、韓国側議長をユ・ミョンハン元外交通商部長官がつとめています。日本の国会から、自民・民主・公明党の代表が各1名参加しました。

(JCIEは、http://www.jcie.or.jp/japan/を、KFは、http://ja.kf.or.kr/?menuno=753 をご参照ください)

 

戦後70年談話やパク大統領の訪中など活発に意見交換

 8月に安倍総理の戦後70年談話が発表されたことを受けて、双方の関係者からさまざまな評価や意見が述べられました。また、9月3日に中国で開催される「抗日戦争勝利70年記念式典」にパク大統領が西側諸国の首脳では唯一出席することについての目的やその是非についても活発に論議されました。さらに、「日韓交流おまつり」や日韓国交回復50周年記念行事などへの取組みが報告されました。

 自由闊達な議論を可能にするために発言者や詳細は公開しない「チャタムハウス・ルール」を採っているので、内容の紹介は省略します。全体として、慰安婦問題等の20世紀の歴史認識問題では厳しいやり取りもあった一方で、両国が隣接し、文化的な共通性が多く、民主主義・市場経済等の価値観を共有する特別な関係にあるという点では一致していました。また、半世紀の政治・経済関係をベースに、新時代における成熟した協力のあり方を創出していくべきであるということも共通の認識だったと受止めました。

 

共通の利害を確認して協力関係強化が必要

 日本から見ると、韓国に対する政治的な関心や経済的な依存度は、米国や中国に比べて相対的に低下しています。韓国から見ても似たような傾向があります。しかし両国とも、東アジアの先進工業国であり、資源・食料の多くを海外に依存しているなど経済・産業構造に共通する点が多くあります。そのため、自由な貿易・投資システム、航海の自由、国内農林水産業の競争力、国連を軸とした安全保障など多くの分野で利害が共通しています。

 二国間だけの関係を考えて相互への関心が薄くなる“パッシング”は、両者に不利益となるだけです。数多くある共通の利害をよく理解・認識して、さまざまな分野で連携して国際社会に主張していくことが重要です。発言力も増し、両国の利益に適うことになるものと考えます。これこそが、新たな時代に相応しい日韓関係ではないでしょうか。残念ながら現状では韓国の厳しい対日世論もあり、“連携”よりもむしろ“競合”が前面に出て、国民感情が悪化する負の循環に陥っています。幅広い視野をもった成熟した対応が望まれます。