【いさむの一言(9月14日)】与党税制協議会で軽減税率制度の議論が再開

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東日本豪雨で各地に甚大な被害

 台風18号にともなう豪雨で北関東・東北の各地で堤防が決壊して広い地域が冠水するなど甚大な被害が発生しました。今なお、多くの方々の行方が判らないほか、水道・電気などのライフラインが途絶しています。被災された皆さまには、謹んでお見舞い申し上げます。一刻も早い復旧に全力をあげてまいります。

 利根川水系では、上流のダムの建設や河川改修によって治水対策を進めてきた結果、近年では水害が減少してきました。10年に1回程度の降水確率で対策を実施してきましたが、今回の豪雨はその水準をはるかに超えるものでした。気候変動なども考慮に入れて治水対策の強化を早急に検討して、再発防止に努めていきたいと考えています。

 

与党税制協議会に軽減税率の財務省試案が提示される

 17日に与党税制協議会消費税軽減税率制度検討委員会が開かれ、財務省から試案が提示されました。酒類を除く飲食料品全般について2%の税率引上げ分に相当する金額を一定の上限額の範囲内で後から還付する方式です。消費者は、買物の際に一旦は全ての商品・サービスにかかる10%分の消費税を負担します。今年度から導入が始まる“マイナンバー・カード”を利用して軽減税率が適用される飲食料品の購入額を記録しておき、後日還付されるスキームとなっています。

【マイナンバー・カードについては内閣官房のウェッブサイトをご参照ください】

 

アイデアは理解するも実行には課題が余りにも多い

 軽減税率制度を検討する過程で、商店など中小事業者を含むほとんどの事業者団体からヨーロッパなどで行われている複数税率については強い反対の意見が出されています。主な理由は、①商品ごとの標準・軽減の税率適用の仕分けが困難、②軽減税率適用商品を区分経理する事務負担が重い、③消費税非課税の小規模事業者に不利益、④高額所得者も負担軽減の恩恵が及ぶなどです。財務省試案は、こうした事業者団体からの反対意見をクリアできるものであり、アイデアとしては理解できなくはありません。

 しかし、実施するには課題が余りにも多く、実現性には強い疑念を持っています。例えば、①“マイナンバー・カード”が全国民に普及できるのか、②飲食料品を購入する都度“カード”を提示するのが現実的なのか、③記録・還付手続きなど消費者に重い負担を負わせるものではないか、④個人情報などのセキュリティーは保全できるのか。また、買物時に消費税全額を一旦負担することで飲食料品の税負担が軽減される政策効果が実感できるのか疑問に感じます。

 今後、与党協議会において慎重な検討を行っていくことになりますが、財務試案だけでなく他の手法も含めて議論していきたいと考えています。