【いさむの一言(9月20日)】実質賃金の上昇が経済好循環を実現するカギ

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党経済再生調査会で勉強会

9月16日に、党経済再生調査会で㈱日本総合研究所 山田久調査部長・チーフエコノミストを講師に招き、「実質賃金をどう引上げるか」をテーマに勉強会を開きました。実質賃金とは賃金から物価上昇分を差引いた金額で、実際の生活水準を表すものです。1995年から現在までの日本・アメリカ・ドイツの実質賃金の推移を見ると、日本だけで20年間にわたり減少傾向がつづいています。
山田氏は、95年以降日本で経済成長が停滞している最大の要因は実質賃金の減少にあると分析しています。また、賃金減少の原因は、①企業の多くが商品・サービスの値下げ戦略に固執してきたこと、②経営者・労働組合とも雇用安定を重視して賃金引き下げを受容れてきたこと、③労働市場の流動性が不足しており移動が少なかったことなどを挙げています。
 
山田久氏のプロフィール関係レポートはウェッブサイトをご参照ください

 

 

物価上昇を上回る賃金上昇が必要

足もとの日本経済は着実に回復に向かっています。長年続いた“デフレ”から脱却し、物価も緩やかに上昇しつつあります。円安の効果もあり企業経営は改善し、雇用も増加しています。この好い流れを永続的な成長に結び付けていけるかどうかは、物価上昇率を上回る賃金上昇率を実現していけるかどうかがカギです。家計の可処分所得が増加することによって消費が伸びて、その結果、経済全体が良くなる“好循環”を生み出すことができます。

 
 

実質賃金をどうやって引上げるか

最大の課題は実質賃金の引上げをどのように実現するかです。現在、「政労使会議」を通じて、政府から企業に賃金引上げを要請しています。当面は必要な取組みであり、引きつづき働きかけを行っていきますが、本来は政府の介入は最小限であるべきです。また、継続的な実質賃金の上昇を実現するためには、企業経営や雇用制度などの構造的な課題を改善していかなければなりません。

企業は、競争が激しい分野での過剰な価格引下げ戦略をやめて、高収益分野の事業への選択と集中を進めていくべきです。また、労働組合も競争力を失った分野での雇用維持に固執せず、高収益分野への労働移動を促進していくよう方針を採るべきです。それを可能にするための流動性の高い労働市場の環境整備を政労使が協力して進めていく必要があります。
めざすべき方向は明らかですが、実行するとなると障害も多く容易なことではありません。日本経済の再生を実現するため、実質賃金の上昇を目標に、必要な政策を検討し、実行していきたいと考えています。