【いさむの一言(12月28日)】消費税軽減税率の効果と今後の検討課題

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飲食料品等に軽減税率適用を決定

 12月16日に決定された「与党税制改正大綱」において、飲食料品全般(ただし、酒類・外食を除く)等にかかる消費税率を2017年度からの10%への引上げ時に8%に据置く、「軽減税率」制度を導入することが決まりました。

 消費税率引上げによる税収は全額、年金・医療・介護・子育ての社会保障費に当てられます。増大しつづける社会保障関係費用の安定財源を確保するために、5%から8%への税率引上げが決定されています。国民の理解を得ながら負担増を行うために、人間の生存に不可欠で、最も基礎的な生活物資である飲食料品等に軽減税率を適用することとしました。その効果としては、①消費税が持っている“逆進性”を緩和するのに有効である、②子育て中の中堅所得世帯を含めて生活実態に即して負担が軽減される、③消費時に負担軽減が実感でき、痛税感の緩和に資する等が挙げられます。

 

適用対象から外食を除外

 軽減税率制度導入までに決めていかなければならない課題も残されています。その一つが、軽減税率が適用されない“外食”の範囲を明確にすることです。

 弁当やファースト・フードのテイク・アウトの扱いなど飲食料品の購入と外食との境界線が判りづらい部分が多くあります。そのため、私は、外食にも軽減税率を適用するべきだと主張してきましたが、飲食料品消費全体の1/4程度を占める外食まで含めると税収減が多額になるとの財務省の意見を受入れて除外することとしました。①外食料金は飲食料品価格に加え、設備の費用やサービスの対価が含まれていることや②複数税率を導入しているヨーロッパやアメリカでも軽減税率が適用されていないなどから止むを得ないと判断しました。今後、事業者・消費者双方にできるだけ判りやすい“線引き”を示す必要があります。

 

事業者の事務負担の軽減

 税率が単一から複数になると、事業者では税率区分毎に商品管理を行い、売上と仕入れの区分経理を行う必要が生じ、現在よりも事務負担が増加することになります。制度を円滑に導入するために、当分の間は現行の経理方式を継続します。また、中小・小規模事業者に対しては、軽減と標準税率の割合を推計する簡易な経理方式を認めることとしています。現行の簡易課税方式や免税点制度は継続します。さらに、レジスターや経理システムの改編に対する助成や疑問等に答える相談窓口を設置することとしています。

 将来的には、適格請求書(いわゆる“インボイス”)を導入することしていますが、記載事項や計算方法は現行方式と大きく変更しないことしています。