【いさむの一言(5月16日)】経済再生に向けての3つの障害を克服

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 12日には、BS日本テレビ「深層ニュース」に出演し、与野党で経済政策について討論しました。年初から、世界経済の動きが不安定になり、国内でも消費の伸び悩み、円高の進行、株価の停滞など経済の先行きに不透明感が出てきています。今後の、金融・財政政策のあり方に関心が高まっています。

 

アベノミクスの方向性は的確

 2012年に自公政権が再出発して以来進めてきた“アベノミクス”と言われる、金融緩和と財政出動を基本とする政策の方向性は的確だと考えています。前政権の経済政策を転換したことにより、雇用情勢、企業経営、為替・金融市場などが大きく改善したことは疑いがありません。

 

経済再生に向けての3つの障害

 しかし、当初想定していた成果が十分に達成されているわけではありません。その原因は、①中国等新興国の成長鈍化や原油価格の続落などの海外要因、②人口減少・少子高齢化にともなう経済・社会の構造問題に対する認識が不十分であったこと、③消費者・企業・労働組合ともに長期のデフレ・マインドからの脱却の困難性の3つがあげられると考えます。この3つの障害を克服していかなければ、経済の好循環は実現できません。

 特に、重要なのは②の経済・社会の構造問題への対応です。将来、国内市場の縮小、資本や労働力の減少は避けられません。また、現状では、女性や若者の能力が十分に引出されていません。内閣では、これらの施策を「一億総活躍プラン」、「日本再興戦略・改定版」に盛込み、今月中に決定する予定です。また、与党でも、さまざまな議論を行い、各種政策提言を行っています。

 

消費税率について熟慮が必要

 来年4月の消費税率の8%→10%引上げについて、実施のタイミングを再度延期するべきか、法律の規定どおりに実施するべきか、さまざまな意見が示されています。どちらの選択肢もリスクをともなうものであり、難しい判断となります。国内外の経済動向を慎重に分析した上で政治決断しなければなりません。ただし、再延期であれば、事業者の準備なども考慮して、できるだけ早い時期に判断するべきです。また、予定通り引上げる場合には、影響を緩和するための財政出動が必要です。早急に対策を取りまとめて、臨時国会で第2次補正予算を成立させるべきです。税率引上げ額は年間約4兆円であり、2017~18年度にその影響を相殺する規模の対策が必要です。例えば、①所得税・社会保険料の負担軽減や給付金など家計所得の直接支援、②保育・介護施策の拡充策の前倒し実施、③防災・減災対策の集中的実施などが対策の柱となるべきだと考えます。