【今週の一言(11月7日)】TPPは世界と共に成長する日本経済の基礎となる

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TPP協定と対策法案が衆院通過へ

 通常国会から継続審議となっていた環太平洋パートナーシップ(TPP)協定と対策法案が、4日にようやくTPP特別委員会において自民・公明の与党と維新の会の賛成多数で可決しました。3月24日に第1回の会議が開かれて以来、2か所での地方公聴会、4回の有識者を招いての参考人質疑のほか政府に対する質疑など70時間を超える審議を行ってきました。その間、熊本地震にともなう中断や参院選による国会閉会もあり、会期をまたいで臨時国会での可決となりました。これから、衆院本会議での議決を経て、参議院での審議がはじまりますが、今会期中の成立をめざしてまいります。

 

円満な委員会運営に努力

  通常国会からTPP特別委員会の理事をつとめてきましたが、野党の立場や意見を配意し、合意を重視する運営に努めてきました。民進党などは通常国会の時から議事の進行に協力的ではなく、一旦理事会合意された議事をひっくり返すことも度々でした。質疑の内容も、協定・対策法案の中身に関するものよりも、交渉過程の情報開示、協定と関係のない輸入米取引(SBS問題)、農水大臣の失言などに関するものの方が多かったのが実態です。一旦は円満な採決を行うことで合意しましたが、あくまで失言した農水大臣が辞任しなければ採決に応じられないと前言を翻したため、止むを得ず一部野党が欠席の中で、採決を行うことを決断しました。最終的に大きな混乱が生じさせたことはきわめて遺憾です。農水大臣の失言は不適切極まりないものですが、本人から謝罪・反省の発言もあり、言動に注意して職責を全うしてもらうのが妥当だと判断しました。議論を行うことも重要ですが、決まられた期間に結論を出すことも国会の責任だと考えています。

 

6年間の困難な交渉が結実

 TPPは2010年からアジア・太平洋地域の諸国で協議がはじまりました。日本としては、2010年10月に菅総理(当時)が参加検討を、翌年11月に野田総理(当時)が協議入りを表明しました。政権交代後の2013年に安倍総理が、日米首脳会談において農林水産物の関税撤廃の例外扱いを確認した上で正式に交渉に加わりました。約2年半にわたる厳しい交渉を経て、2015年10月に大筋合意、翌2016年2月に12か国が協定の署名に至りました。交渉に参加した各国の国情はさまざまであり、先進国対途上国、農産物輸出国対輸入国で利害が対立するため、調整は困難を極めましたが、各国が貿易・投資の拡大がそれぞれの利益につながるとの認識のもとで努力を重ねたことにより合意に達することができました。

 

政府・与党で内容を精査し対策を決定

 TPPは、関税率など物品の市場アクセスの改善だけでなく、投資・サービス・知的財産・衛生植物検疫・規制の整合性など幅広い分野でのルールを定める新しいタイプの経済連携協定です。政府・与党では、交渉過程では可能な範囲での情報や意見を交換しつつ、大筋合意後は協定の内容について精査するとともに、協定の批准に必要な国内の法律や制度の整備について検討してきました。また、協定による関税の撤廃・縮減などマイナスの影響が予想される農林水産業に対する対策や中小企業などが海外展開の機会を最大限に活かすための支援体制の策定について検討し、2015年10月に「総合的なTPP関連対策大綱」を決定しました。「大綱」の実施に必要な法律改正については協定とともに国会に提出するとともに、対策に必要な経費については予算計上しています。

 

TPPは世界と共に成長する経済の基礎

 TPP協定は、日本の成長戦略の重要な柱だと確信しています。人口減少時代に入った日本が将来にわたり安定した成長を達成するためには、“目を世界に向け、世界と共に成長していく経済”を構築していかなければなりません。TPPはその基礎となるものです。TPPの国内農業や各種制度への負の影響を懸念して反対の意見が少なくないのは承知しています。しかし、反対意見の多くは日本が世界の動きから孤立することをめざしているようにしか聞こえません。自由貿易・投資をめざすWTO協定も、さまざまな分野での国際条約も否定しているように感じられます。そうした“内向き”志向では日本の未来の成長は期待できません。積極的に世界に打って出て、世界と共に繁栄していく道を進むべきではないでしょうか。

 TPP協定の内容の詳細については、内閣官房TPP対策本部のウェッブサイトをご参照ください。

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