【今週の一言(11月15日)】終盤国会の最重要テーマは年金制度改革

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TPP協定・対策法案が衆院で可決

 10日、通常国会から継続審議となっていた環太平洋パートナーシップ(TPP)協定と対策法案が衆議院本会議で可決され、論戦の舞台は参院に移りました。通常国会の3月24日の審議入り以降、70時間を超える審議を経て会期をまたいでの可決となりました。

 アメリカでは、TPPに反対を表明してきたトランプ氏が大統領に当選し、議会も協定の早期承認には慎重な姿勢に転じています。今後、発効の見通しはきわめて不透明となっているのは残念です。日本はもとより多くの国々は、これまで自由で協調的な国際経済体制の恩恵を受けて成長してきました。最大の経済大国での“孤立主義”、“保護主義”の台頭には警戒が必要です。アメリカには自由な貿易・投資システムへのコミットメントを働きかけるとともに、日本がリーダシップを発揮してアジア太平洋地域の貿易・投資の拡大を通じた経済の活性化に努力していくべきだと考えています。

 

年金制度改革2法案の成立をめざす

  後半国会の最重要テーマは、公的年金制度の改革です。将来にわたり、①年金財政を安定させて持続可能な制度とする、②世代間の負担と給付の公平性を確保する、③適切な水準の年金給付を維持する、④無・低年金者対策を充実するなどの観点から、政府・与党内で議論を重ねた結果、2件の法案を提出しています。今会期中の成立をめざしていきます。

 2004度の抜本改革(いわゆる“100年安心プラン”)は今後とも維持をします。しかし、想定していなかった世界金融危機後の2010~12年度の間、物価・賃金の上昇率がともにマイナスのデフレ状態があり、給付水準を特例的に引下げなかったために世代間の不公平が拡大してしまいました。これを是正するとともに、将来同じような事態に対処するために、年金スライドの方法を修正します。2013年度以降は継続的なデフレ状態からは脱しつつあり、現状では追加的な調整の必要はありません。中長期的に年金制度を安定させて行くためには、経済成長を確保し、物価・賃金水準の上昇率が継続的にプラスになる状態をつくっていく必要があります。政府・与党として、引きつづき経済再生を最優先に取組んでまいります。

 一方、無・低年金者対策として、年金を受給するに必要な加入期間を現在の25年から10年に短縮し、新たに約65万人が新たに受給資格を得ることになります。また、2018年10月からは、低所得年金受給者に最大年6万円の給付を行います。また、年金制度の短時間労働者への適用対象も拡大します。

 

民進党などの批判は無責任

 民進党などは今回の改正について批判を強めていますが、あまりにも無責任です。そもそも給付水準の調整方法の見直しが必要となったのは、民主党政権時代を含めて、深刻なデフレ状態が続いたことにあります。本来であれば、政府・与党と協力して事態の改善に努めるべきですが、今のまま放置しておけば、将来の年金制度を不安定にし、将来の世代に過大な負担を押し付けるものとなります。

 年金制度改革の概要についてはみずほ総研の資料で詳しく解説していますので、ご参照ください。

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