【今週の一言(11月21日)】経済活性化・働き方改革を進める税制改正論議を

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与党税調で来年度税制改正の議論に着手

 先週から、与党の税制調査会での2017年度税制改正の具体的な議論がスタートしました。9月~11月にかけて、幅広い分野にわたる団体などとの政策懇談会を開催し、予算や税制改正に関する意見・要望を伺ってきました。私が部会長をつとめる財務金融部会では、全国法人会総連合等の中小企業関係団体、銀行・信用金庫・証券等金融関係団体、日本税理士会連合会、酒類・たばこ関係団体などから意見等を伺ってきましたが、他の部会などでも同じような作業を行ってきました。また、先週は財務省・総務省から政府税制調査会での有識者等による議論の経緯や結果について報告を受けました。

(政府税制調査会中間報告

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 こうした意見等を踏まえて党税制調査会で検討し、与党税制協議会で調整を経て、12月上旬を目途に「与党税制改正大綱」を決定します。私は、党税制調査会会長代理と与党税制協議会委員をつとめていますので、これから暫くの間、政府・与党の議論に参画していくことになります。

 

経済活性化・働き方改革等が主要テーマ

 来年度の税制改正では、①企業等の賃金引上げ・設備投資・研究開発の後押し、②女性の活躍はじめ働き方改革、③国際的に活動する企業の課税逃れ防止を進める所得税・法人税などの見直しが主要なテーマです。財政健全化目標は堅持することから増税・減税を同額とする「税収中立」を原則とし、メリハリの利いた制度に見直します。

 酒税については、ビールと発泡酒、日本酒とワインなど類似した酒類で税率の格差縮小の方向性を打出したいと考えています。酒類の生産・流通・消費に急激な影響が及ぶことがないよう、10年程度の期間をかけて段階的に進めていくべきだと考えます。

 また、消費税率引上げ再延期にともない、自動車税制については取得税廃止の延期に伴う見直し、住宅関連税制ではローン減税の見直しなどを検討する予定です。そのほか、各種の政策減税措置についても点検と見直しを行います。

 

働き方改革を促すため所得税体系の見直しも議論

 所得税の配偶者控除などの人的控除制度については、以前からさまざまな問題が指摘されてきました。①片働き、専業主婦・パート労働を前提とした現行制度は現在の社会に不適合、②配偶者の働き方によって課税額に差異があるのは不公平、③いわゆる“103万円の壁”などの控除限度額が就労抑制につながり、労働者・事業者双方の不利益になっている、といった意見を踏まえてさまざまな改革案が検討されてきました。もともと控除制度改革は所得税体系の根幹に関わるものであり、立場によって利害も異なりかつ複雑であることから、短期間に結論が得られるものではありません。引きつづき、改革の方向性や制度設計について与党税制協議会で議論を深め、実施の工程表も含めて数年以内に結論を導くべきだと考えます。ただし、パート時給上昇や最低賃金引上げによって既にニーズが表れている控除限度額については、当面の措置として引上げを検討していきたいと考えています。