【今週の一言(3月21日)】世界とともに成長する経済をめざして国際経済連携の強化を

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財務金融委での審議が進まず

 財務金融委員会では、先月24日に「所得税法改正案」を可決して以降、民進党などの同意が得られず、法案審査ができない状況がつづいてきました。内閣が提出している「関税法改正案」は、年度末で期限切れとなる関税率低減措置等の延長を含むいわゆる“日切れ”法案です。それまでに成立しないと、輸入貨物にかかる関税が一時的に上がり、円滑な貿易に支障を来すことになりかねません。政府・与党として、年度内の法案成立をめざして引続き努力してまいります。民進党などにも経済活動や国民生活への影響を考えた責任ある対応を求めます。

 

党国際経済連携推進プロジェクトを設置

 先日、公明党では「国際経済連携の推進に関するプロジェクト・チーム」を設置し、座長に就任しました。政府・与党では、海外との自由貿易・経済連携協定(FTA・EPA)の締結促進を成長戦略の柱と位置付け、FTA・EPA締結国との貿易額の全貿易額に占める割合を70%まで高めることを目標としています。プロジェクト・チームとして、政府と連携しながら、協定締結に向けた交渉の促進を後押しするとともに、それにともなう国内産業等への影響と対策について検討してまいります。

 

日欧EPAやRCEPが交渉中

 最大のEPAである「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)」が、アメリカでの新政権誕生によって頓挫している現状は残念です。先週、アメリカを除く協定に署名した11か国による閣僚会合が開かれ、TPPの意義を再確認するとともに、今後の取組みなどについて協議されました

 現在、欧州連合(EU)との間で日・EUのEPAおよび東南アジア諸国連合(ASEAN)とアジア大洋州地域の6か国(日本・中国・韓国・インド・オーストラリア・ニュージーランド)との間で東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉が行われています。先月末には、日本でRCEPの首席交渉官の会合が開かれました。モノの貿易の自由化だけでなく、投資・知的財産などのルールを含めた協定を締結し、貿易・投資の拡大をめざしています。

 

ASEAN主導の交渉が重要

 RCEP交渉に参加している16か国は、経済の発展段階、政治・経済・社会のシステム、貿易・投資に関する法制度が多様であり、関心や利害も異なっていることから交渉は簡単ではありません。現在、ASEANと日本・中国等との間ではそれぞれ協定が存在しますが、成長力するアジア地域で包括的な協定を結ぶ意義はきわめて大きいと考えます。これまで最も積極的役割を担ってきたのはASEAN諸国であり、先進国や経済規模の大きい諸国は、その立場を尊重して交渉を進めていくことが重要だと考えます。

TPPのように自由化度の高い“質の高い”協定をめざすのか、各国の事情への配慮を優先するのかを判断しなければなりません。

 

国際的な経済連携強化は成長戦略の柱

 日本経済は成熟段階にあり、人口減少・高齢化といった社会の構造問題に直面しています。将来にわたり、経済の安定成長と国民所得の向上を実現するためには、成長力の高い国々と協調しながら、ともに成長していく“ウィン・ウィン”の関係を築いていくことが重要です。最早、内向きの発想では、安定成長は期待できないことを自覚しなければなりません。国際的な経済連携を強化し、世界とともに成長する日本をめざしてく必要があり、積極的にEPA・FTA交渉を推進していくべきだと考えます。