【いさむの一言(5月7日)】経済に配意した財政健全化目標の見直しが重要

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「骨太方針」で財政健全化計画の見直し

 大型連休は天候にも恵まれ、帰省や旅行などお出かけになった方も多かったのではないでしょうか。
これから、内閣・与党では本年度の「経済財政運営と改革の基本方針2018」(いわゆる「骨太方針」)策定に向けての検討が本格化します。本年度は、現在の財政健全化目標の達成が難しくなっていることから、その見直しが重要なテーマの一つになります。

 

財政は着実に改善するも目標達成は難しく

 内閣・与党が2012年度から取組んでいる財政健全化計画では、2020年度までに国・地方合わせたプライマリー・バランス(PB)を黒字化することを目標としています。自公連立政権再スタート前から比べて、PB赤字のGDP比は半分以下になる(▲6.3%⇒2.9%)など着実な成果をあげてきました。これは、経済回復などにともない国・地方の税収が24兆円増加と過去最高水準に達したことや社会保障関係費の伸びを毎年5千億円程度に抑えるなど歳出改革を実行してきた成果です。しかし、経済成長率はプラスを続けてはいるものの当初の見込みである名目3%を下回ってきたことや景気に配慮して消費税率の10%への引上げを延期したことなどから、2020年度黒字化の目標達成は難しくなってきました。
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/important/zaiseikenzenka.html

 

経済再生なくして財政健全化なし

 これまで「経済再生なくして財政健全化なし」を基本方針に、経済の足を引っ張るような無理な増税や大幅な歳出カットは回避してきました。その結果、経済が順調に回復し、財政も改善してきました。将来の日本の経済・社会のことを考えれば財政を健全化していく必要があります。しかし、重視しすぎると経済に悪影響を及ぼし、元も子もないので、今後ともこの基本方針は継続するべきです。

 

現実的な健全化計画に見直しを

 現在PB黒字化の達成時期を5年間延ばして2025年にする案が出ているようですが、現実的で妥当な内容だと考えます。これは、3%名目成長率を前提とした試算であり、簡単に達成できる目標ではありません。したがって、これからも経済の成長率を高めていく「成長戦略」を着実に実行するとともに、歳出についても社会保障関係費の伸びを抑制するほか、公共事業を含むあらゆる分野の歳出の効率化・重点化に努力していかなければなりません。また、経済を最優先に、機動的な財政運営が必要だと考えます。